言語聴覚学科News
この日、言語聴覚学科1年生と義肢装具学科1年生を対象に、講演会が行われました。

講演してくださったのは、山村悠介さんです。
山村さんは脳腫瘍の影響で失語症となり、本校の母体病院である鵜飼リハビリテーション病院にてリハビリを受けられ、その後自宅退院されました。
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ご病気になられる前は、高校の英語教師をされていました。
ご病気になり、一時的に教師の職を離れておられましたが、
この4月から復職されています。
そんな山村さんがご病気になられた日から、決して簡単ではなかった復職までの経過を、
当時の言語の状態や、その時々の気持ちなどをふまえて、詳細にお話くださいました。
脳梗塞や脳出血、また脳腫瘍といった病気は突然起こります。
それまで「普通に」仕事をして、「普通に」日々を送ってきた中で、
突然言葉が出なくなり、思うように話せなくなる。
その経験をありのままを聞かせていただくというのは大変、大変貴重な機会です。
ご病気になられたばかりの頃の苦しかった思いを、
苦しい思いを乗り越えて何が何でも復職するのだと、熱く取り組まれる姿を、
「人生は一度きりなので自分のしたいことを目標に努力しよう」と話される山村さんの言葉を、
見て聴いて、学生のみなさんは何を感じたでしょうか。
講演後には、義肢装具学科の学生さんたちとグループワークを行いました。
山村さんのような方々を将来援助する際には、どんな点を目標にするのか、また、自分の家族だったらどうするか、という視点で意見交換を行いました。


言語聴覚士が関わる全ての方、それぞれに人生があります。
その人に寄り添い、思いを汲み取り、関わっていくためには、色々な経験が必要です。
山村さんのような人生の方もいる、と知ることも大切な経験です。
生の声を聴いて、感じたことを大事にしてほしいと思います。
最後には、山村さんのお父様とお母様からもお言葉を頂戴しました。

患者様を支えるご家族からのメッセージに、
また違った学びがあったのではないでしょうか。
この職を目指すことの意味を、人を支える仕事の持つ責任を、決して忘れないでください。
山村さん、お父様、お母様、本当にありがとうございました。