補聴言語学科News
リハビリテーションを行う職種には、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、介護福祉士・・・・など多くの専門職があります。
対象者の方々にとって最良のリハビリテーションを提供するにあたって、これら各専門職が日頃から対話をして、リハビリテーションの具体的な目標や支援を考えることが必要となります。
そのためには、専門職種がそれぞれの職能を理解して尊重し合いながら協働する「連携」が鍵となり、今やどこの病院でも当たり前に行われていることです。
我々が属する珪山会グループには「中部看護専門学校」「中部リハビリテーション専門学校」「日本聴能言語福祉学院」の3つの学校があり、それぞれ、看護師、理学療法士、言語聴覚士、義肢装具士を養成しています。これらグループ内で学ぶ学生たちが一堂に会して、多職種連携を学ぶのが「専門職間連携教育」です。

まずは講義です。
母体である鵜飼リハビリテーション病院の理学療法士さんから、専門職種の役割や専門職種間連携の必要性を、リハビリテーション部長の森田秋子先生(言語聴覚士)より、国際生活機能分類「ICF」についてを教えていただきました。

講義の後はグループワークです。
鵜飼リハビリテーション病院の元入院患者様の事例をもとに、3校4職種で構成されたグループごとに、患者様がどのような方なのかを考えて整理します。

グループのメンバーは初対面ですし、グループで患者様についてディスカッションをすることも初めての経験ですのでドキドキです!
しかし話し合いが始まると、
「失語症があり意思疎通がむずかしそう」
「麻痺によって歩きづらそう」
などといった、コミュニケーション障害や運動障害はもちろん、
「人付き合いが好き」、
「アウトドアとドライブが好き」
「装具を付けると歩きやすくなる」
などなど、どんな方か、という情報もたくさん挙げることができました。
実は、コミュニケーション障害や運動障害に着目することももちろん大切なんですが、それと同じくらい、その「人」に着目することも重要なんです。
リハビリテーションは、対象者の支援です。
対象者の皆さんは違う方であり、違う生活をされている。
つまり、お一人おひとりに適した支援をするためには、その「人」の人となりを掴まないことには始ままらないのです。

職種間連携はより良いリハビリテーションを提供していく上で大変重要です。
将来、臨床の現場で、対象者のみなさんの今後の生活を考える上で欠かせない、意見交換をする姿勢を学ぶことができた、大変有意義な「専門職間連携教育Ⅰ」でした。
2年生に進級後は「専門職間連携教育Ⅱ」があります。
今回の学びをもとに、さらにステップアップできる内容になってます。
お楽しみに!