補聴言語学科News
病院では、たくさんのスタッフが働いています。
医師、看護師、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、薬剤師、医療相談員、などなど、他にも多くの職種の方が一人の患者さんを一同に担当し、チームを組み、協力しながら援助を行います。
私たち言語聴覚士もそのチームの一員となり、患者さんの援助を行います。
そこで重要となるのが「連携」です。
それぞれが資格を持つ専門職ですので、それぞれが得意とする領域があります。
それぞれの専門性を発揮しつつ、
他職種の理解をし、
お互いを尊重しつつ、
それぞれの専門性の良いところを合わせて、
目の前の患者さんにとって何がベストの援助になるのか、を日々悩み、考えているのです。
現場にでると、この「連携」を求められます。
しかし、今は言語聴覚士になるための学びに夢中…、正直、他職種のことまで考えていられません!
となってしまうと、現場に出て初めて他職種のことを知ることに。。。。
専門用語1つ、分からずどう連携をしてよいか困る。。。。
ですので、少しでも学生時代に連携を学んでおこう!と行われているのが、専門職種間連携教育です。
本学院は言語聴覚士と義肢装具士の学科を有しています。
また同じグループ内に看護師の専門学校である中部看護専門学校と、
理学療法士の専門学校である中部リハビリテーション専門学校があります。
3校、4学科の学生が一同に集まり、毎年この連携教育の授業を行っています。
近年はコロナ禍の影響で3校に分散して行っていましたが、
今回は数年ぶりに、全ての学科が一同に集まって行いました!
総勢100名を超える規模での開催です。
学生達は、事前に症例の情報を聞き、自分の専門領域について予習をしてきました。
他の学科の学生さん達に、分かりやすく伝えるにはどうしたらよいのか。
自分達が当たり前に使っている専門用語も、
他学科の皆さんは当然知りません。
どう説明すると伝わるか?
それぞれが思い思いに準備をしてきました。
とある学生は、タブレットに写真をダウンロードして。
とある学生は、検査のマニュアルを持参して。
とある学生は、大きい鞄いっぱいに教科書を詰め込んできて。
“喚語困難”、“錯語”、“発語失行”……言語聴覚士間で当たり前に使われている用語を、
どう伝えようか頭をひねっている様子も印象的でした。
逆に他職種の内容についても理解しようと努めます。
初めて聞く、他職種の専門用語。
アルファベットが並んでいて、理解するのに、自然と質問も出ていましたね。
他職種を知ることも「連携」の1つです。
他の職種が何をできるのかが分かれば、
患者さんに必要となる援助を誰とどう分担して協業すれば良いか、分かるようになり、
よりスムーズに連携ができるようになります。
そして、最後は模擬症例に、多職種チームでどう関われるのか、意見交換が行われました。
お互いの職種を知って、新しく見えた視点もあれば、
自職種の視点だけでは気づけなかった視点もあったようです。
以下、学生の感想です。
「日頃からしっかりコミュニケーションをとることが重要」
「患者さんに対してできるようになってほしいことについて、他職種の視点を学ぶことができた」
「様々な視点を持つことが重要だと分かった」
「お互いを尊重する」
「知らないことはすぐ聞く」
現場での連携の在り方が少しでも伝わったでしょうか。
きっと、他校の学生達も同様の学びあったと思われます。
この専門職種間連携教育の時間だけで全て理解するのは難しいです。
ですが、この3時間の学びはきっと将来役に立つと思っています。
言語聴覚士だけでは患者さんを支えることはできません。
将来資格をとって現場で働くとなった時、スムーズな連携ができるよう祈っています。
お疲れ様でした!