補聴言語学科News
1年生の授業紹介、第3弾。
2024.6.12の第1弾、2024.7.4の第2弾に引き続き、コミュニケーション概論の紹介です。
いよいよ授業も大詰め、失語症の方と実際に会話を行う体験演習が行われました。
第1弾ではコミュニケーションの基礎についての学び、
第2弾では教員との会話テスト、
と練習を重ね、いよいよ本番です。
お相手いただくのは、学院の母体である鵜飼リハビリテーション病院よりご紹介いただいた皆様です。
以前に脳のご病気をされ、失語症という後遺症をお持ちですが、
現在は病院を退院し、新しい目標を持ち、日々生活をされておられます。
そんな中で「学生さん達の勉強になるならぜひ」と皆様に快くお引き受けいただきました。
ただし、初めての実践で、学生達の緊張はピーク。。。。
先の会話テストでの教員の演技に惑わされ、
「こんな症例さんだったらどうしよう…」と心配する学生も。
大丈夫です(笑)。
教員が演じた模擬患者さんは、皆さんに考えてもらうためにもちょっと難しい方を演じました。
今回お話いただく皆様は、大変やさしく、学生のちょっとやそっとのミスも寛大に受け止めてくださる方々ですよ。
そんな皆様の胸を借りて、さあ、いざ会話体験演習スタートです。
学生一人につき20分間、教員もそばで見守りますが、一切口を出しません。
学生と失語症当事者の方と、1対1での会話を展開します。
え?初対面でそれ聞いちゃう?
あああ…その話題振っておいて、感想それだけ?
こらこら、話題に困ったからといって、教員の顔を見ないよ~。
そばで聞いている教員は、実は内心ハラハラ…。
とはいえ、相手をしてくださる皆さんが逆に話題を拡げてくださり、学生達の緊張をほぐすかのように会話を進めてくださいます。助けられながら学生達も徐々に会話に慣れ始め、後半にはそれなりに会話を楽しむ様子も見受けられました。
出身地が近く、その話題で盛り上がったり、
ご病気の話を伺ったり、
現在の生活について伺ったり、
皆さんの趣味について新しい発見をしたり。
それぞれが、それぞれに興味深い話題で、相手をしてくださった皆さんも会話を楽しんでおられました。
20分間もあっという間。
むしろ、時間が足りないと、時間超過する組もみられました。
会話体験が終われば、学生達は各々自分たちの会話を振り返ります。
失語症当事者の皆さんにも、学生達の会話がどうだったか、を評価していただきます。
以下は学生達にいただいた、メッセージです。
・緊張しているようでしたが、“話そう”という気持ちが強く伝わってきたよ
・表情が良い、笑顔が素敵だった
・もう少し勉強を頑張ろう、今後に絶対役に立つから
・もう少しゆっくり大きな声で話してもらえると良かったかな
・あなたにしかできないことがあるはず、それを見つけ、素敵な言語聴覚士になってください
などなど。
辛口コメントもありますが、全てが学生達のために、とくださったメッセージです。
現場にでると、先輩の言語聴覚士から指導を受けることはあっても、
患者様からここまで詳しい評価をしていただくことはありません。
学生であるうちに、会話をした失語症当事者の皆さんから、直に評価を頂く。
とても贅沢な評価なんですよ。
それを元に更なるコミュニケーションについて学びを深め、次の実践に活かす。
それがこの「コミュニケーション概論」の授業の目的なのです。
さて、3回に渡ってご紹介してきた「コミュニケーション概論」の授業、いかがだったでしょうか。
コミュニケーションの難しさが伝わりましたでしょうか。
難しいですが、とてもやりがいがありますし、
学院では、その難しささえも楽しいと思い、学んでいただく授業を用意しています。
ぜひ一度、学院に見学にいらっしゃいませんか?
お待ちしてします!
そして、実はこのコミュニケーション概論の授業、これで終わりではありません。
今度は実際に病院へ赴き、入院中の患者様と会話体験演習を行う「基礎実習」があります。
更なる試練に、共に向き合いましょう!
続報を待て!です(笑)。