義肢装具学科News
2年生は下腿義足Ⅰ(実習)にて、PTB式下腿義足の製作実習に取り組んでいます。
前回のレポート(2年生 下腿義足が完成しました。)では、ソケットラミネーションの様子をレポートしました。
今回は適合実習の様子をレポートします!
義足の適合
今回は、いよいよ義足ユーザーに完成した下腿義足を装着していただく適合実習です。
適合という用語の概念について簡単に説明すると、
- 付け心地の良い状態
- 身体にピッタリと合っている状態
- (義足では)安定的に立位・歩行ができる状態
このすべての状態を満たしている義肢装具が適合している、と表現されます。
どんなに付け心地が良くても安定的に歩行できない義足や、安定的に歩行できるけれど痛みがある義足では、適合しているとは言えません。不適合の義足を我慢して装着してもらうわけにはいきませんので、しっかり適合させる必要があります。
義足を適合させるために、前回も説明したアライメント調整を行います。
義肢装具士が行うアライメント調整には、3つの段階があります。
- ベンチアライメント
- スタティックアライメント
- ダイナミックアライメント
この3つです。ベンチアライメントは作業台の上で理論通りに義足を組み立てる静的なものなので、まだ義足ユーザーは不在でしたが、続くスタティックアライメントとダイナミックアライメントはいよいよ義足ユーザーに義足を装着していただくことになります。
スタティックアライメント
スタティックアライメントとは、歩行を行う前段階として静止立位におけるアライメントが適切か、 安全な試歩行が行えるか確認するためのものをいいます。
スタティックアライメントのゴールは、足部の底面が全面接地し、かつ、前後・内外側への不安定なく立位がとれること、です。両脚でも安定して立つことができないようでは、歩くこともできませんよね。
正面、側面と多方向からアライメントを確認します。
この日のために、2年生は下腿義足のアライメントについてみっちり勉強してきました。教科書や先生の講義資料でみた現象が今まさに目の前で再現されています。義足のアライメント異常で起こる現象は、物理現象なので必ず再現性があります。
スタティックアライメント調整が完了したところで、ダイナミックアライメントに移ります。
ダイナミックアライメント
ダイナミックアライメントとは、義足を装着して実際に歩行させて上で行う、歩行状態でのアライメントを確認するものをいいます。
ダイナミックアライメントのゴールは、義足側で立っている(歩いている)ときに、足部の底面が全面接地し、かつ、前後・内外側への不安定なく歩行できること、です。
歩行してもらい、その歩き姿(歩容といいます)を観察し、異常があれば調整、再度歩行を繰り返し、義足ユーザーが安定して歩行できるアライメントに近付けていきます。
義足ユーザーモデルの皆さまは、学生が理解できるまで何回でも歩いてくださいます。本学科の講義にご協力いただいている皆さまは、「ここで勉強した学生さんが将来良いものを作ってくれるなら」という気持ちで快く引き受けてくださっています。
皆さんが良い義肢装具士になれるように、モデルの皆さまも応援してくれています。
学生の皆さんは、その気持ちに応えて勉強に励んでくださいね!