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【2014年05月 アーカイブ】
今回は少し趣向を変えて、いつもと違うテーマで授業の様子をレポートしたいと思います。 皆さんは、机の上以外で線を引いたことはありますか?おそらく、誰しも机の上でなら紙面に直線や曲線を描いた経験があると思います。では、義肢装具士はどうでしょう? 実は、義肢装具製作の段階で平らな面に直線や曲線を描くことは少ないということを知っていますか? このように、製作物の曲面に基準となる線を引かなくてはいけない場面が多くあります。 これは大腿義足ソケットの側面に引いた線を、差金をあてながら確認しているところです。どうでしょう?直線に見えますか? これは義足を組み立てるうえで、全ての基準となる「基準線」を陽性モデル上に引いているところです。3年生になると、直尺を使って曲面に上手に線が引けるようになっていますね。 義肢装具を製作する上で、「曲面に線を引く」という作業はとても大切です。このような、ちょっとした作業でも確実に行えることがモノづくりの基礎となります。 皆さんも身の周りの「曲面」を使って一度、直線を引いてみましょう!途切れたり、曲がったりしないように慎重に・・・!
教務室から, 義肢装具学科
前回行った陽性モデル修正後、断端を収納するソケット製作を行い、いよいよ「仮合わせ」を行うために義足の形に組み上げていきます。 これはソケットを埋め込むための木製ブロックを加工しているところです。仮合わせの段階で試歩行を行う場合には、様々な調整が予想されるため、木製ブロックにソケットを埋め込みます。 1年生の時に基礎的な木工作業は習得しているので、安心して見ていられますね。 次にソケットを基準となる線が床に対して垂直となる様に木材に接着していきます。正しいアライメントからソケットが傾いてしまわないよう慎重な作業が必要ですね。 差金(さしがね)を使ってソケットに引いた基準線が床面に垂直になっているかを確認しています。数ミリのずれも許されない慎重な作業が続きます。 次は、ソケット以下の組み立てを行います。 ソケットを正確に埋め込んでいても、膝継手から下のパーツが傾いていると義足は真っ直ぐに組み立てられません。水準器を使って、ここでもミリ単位の調整が続きます。 膝継手以下のパーツが組み上がれば、ソケット部分と連結して義足の完成です。それぞれのパーツに引いた基準線が、床面に対して垂直に立ちあがるように調整をしていきます。 一つ一つの作業が的確に行われていなければ、理論通りの義足の組み立ては実現できません。自らの作業の問題点をしっかり考察し、次へのステップにして下さい! ベンチアライメントとは、義足を組み上げる際の基準です。 ただ、理論通りに組み上げた義足では直ぐに歩くことができません。義足使用者にきれいに歩いてもらうためには、ご本人の歩容に合わせて義足を調整することが重要です。つまり、義足の完成度だけでなく、それらを適切に調整する技術も義肢装具士には必要です! 6月21日(土)の第2回オープンキャンパスの体験授業では、義肢装具学科で実際に行なわれているホントの授業を体験するチャンスです!この機会にぜひ参加してみてください。教員、学生スタッフ一同、楽しみに待っています! (義肢装具学科オープンキャンパスの詳細はコチラ) (昨年のオープンキャンパスの様子はコチラ)
前回採型した下腿切断の陰性モデル(中空のギプスモデル)にギプス泥を流し込み、陽性モデルを作ります。この陽性モデルに体重支持に必要なモデル修正を行います。 まずは、陽性モデルの表面に画いた骨突起部のマーキングを再確認します。このマーキングが正確に行われていないと、ソケットの適合に大きく影響してきます。 陽性モデルを修正する際に、義足の進行方向となる基準面の設定が重要となります。まずはこの面を正確に設定することが、陽性モデル修正の第一歩となります。 次に切断端の骨突起部に盛り修正を行います。 義足装着時、この箇所が痛みの原因とならないように除圧(じょあつ)する目的があります。 少しずつきれいな陽性モデルを作ることができるようになってきましたね!義肢ソケットの場合、断端皮膚が直接ソケットに触れることもあるため、小さな凹凸も傷の原因となることがあります。義肢装具士としての細かい気配りが大切ですね! 次回はソケット樹脂注型(ラミネーション)からベンチアライメント設定までの様子をレポートします!