【聴能言語学科(大卒2年コース)】基礎実習が終わりました
2020/09/07
8月24日、25日、26日、31日に渡って行われた聴能言語学科1年生の基礎実習が終わりました。
基礎実習は、学生が臨床現場に足を踏み入れる初めての機会です。学生一人ひとりに担当STがつき、実際のリハビリ場面を見学したり、患者様とコミュニケーションをして、それぞれの方に合った工夫ができるかどうかのチェックを受けます。
また学生のコミュニケーションについてどのような印象を抱いたか、患者様からコメントを頂ける実践練習の機会でもあります。これらは鵜飼リハビリテーション病院の全面協力で実現しています。
ただし感染管理の観点から、この時節に病院で実習を行うことについては、当初から双方ともに大きな懸念がありました。
しかし学校側がこれまで行ってきた学生の日々の体調管理、および綿密な行動記録のチェック、学生個々人の感染対策行動などを病院側で精査していただき、その結果、最終的にほぼ全員が実施可能という判断に至り実現されました。もちろんそこに至るまでには、病院側と学校側で、どうすれば有効な感染管理が可能か何度も打ち合わせを重ねています。同じ珪山会グループであるからこそ可能であったとも言えるでしょう。
この基礎実習では、病院での実習の他に、患者様の入院生活場面をまとめた映像を視聴し、患者様の生活背景や思いに触れる経験を積む、という演習も含まれています。
いわば、これは、患者様を「知る」ための工夫にあふれた実習なのです。
現在、聴能言語学科では専門科目の講義はまだ始まったところです。
「そんな時期に病院で実習?」と思われるでしょうか。
確かに2年コースの養成校ではほとんどの場合、ほぼ1年以上に渡って、基礎・専門科目などを座学中心に勉強し、その後で実習に行きます。
専門知識は言語聴覚士にとって重要なものですが、学生や新人STにありがちなのが、頭でっかちになって患者様を一人の人間として全体的に捉えられなくなってしまうことです。現場で非常に問題視されているこの難問を解決するために考え出されたのが、今年度から導入した実践力育成教育です(関連記事コチラ)。
超早期の今こそ、症状ばかりに目を奪われず、患者様の日常生活、初対面の人とのコミュニケーションの取り方、困っていること・・etcに気づいてほしい、患者様を知ってほしいと願っています。そこを押さえてこそ、これから学ぶ専門知識が最大限に活きるのです。現場のイメージをしっかり持つことが、専門科目の学びに役立つと思いませんか?さらに、自らのコミュニケーションを見つめることも、まだ本格的な実習まで時間のある今だからこそです。
学生からも、「緊張したが、STの先生に助けていただいて、患者様と楽しく会話することができました」「相手のことを知ろうとする態度や、相手を気遣うことの大切さがわかりました」など、有意義であったことが窺われる感想が聞かれました。
この経験を経てプロフェッショナルとして成長して欲しいと願っています。