言語聴覚士の仕事

言語聴覚士の仕事

「ことば」と「聞こえ」をサポートし、コミュニケーションの力を引き出す。

言語聴覚士

私は、大学在学中に発達障害の子どもたちを支援するボランティア活動に参加していました。どのように接していいのか困っていた私に、何度もアドバイスをくれたのが言語聴覚士の先生であり、その仕事に興味が沸いてきました。

実績はもちろんのこと、オープンキャンパスで先生や先輩在校生の真剣なまなざしを見て、学院への入学を決めました。入学後は、普段何気なくしている「話すこと、食べること」がいかに複雑で精巧な仕組みでできているのか、驚き感動しながら勉強に励みました。

現在はリハビリテーション科に所属し、主に入院患者さんの嚥下障害、言語障害、その他高次脳機能障害に対する評価・訓練を行っています。症状の出方や重症度も一人ひとり異なるのですが、患者様がそれまで歩んでこられた人生、これから歩む人生も一人ひとり異なり、いつもその患者様オーダーメイドの臨床が求められます。常に頭はフル回転でプレッシャーも大きいですが、人間の生活の基本である食べること、話すことの回復に立ち会え、わずかな変化を共に喜び感謝されるとても素敵な仕事です。

人と関わるのが好きで他人の喜びを自分の喜びに感じる方、困難があっても柔軟な発想で工夫ができる方、ぴったりな言語聴覚士という仕事があります。ぜひ、一歩踏み出してみてください。あなたを待っている人が、たくさんいます。

言語聴覚士の仕事

失語症・構音障害の訓練・指導

ことばが思うように話せない障害を持つ方に対し、検査や訓練、指導を行います。唇や舌を動かす検査、良い声を出す練習、言葉を思い出す練習等一人ひとりの症状にあわせ援助します。

発達障害の訓練・指導

ことばの発達やコミュニケーションの力を促すように、指導、訓練を行います。興味を持って取り組んでもらえるよう、子どもの状態に合わせて様々な工夫が必要です。

嚥下障害の訓練・指導

自宅に訪問してリハビリを行うこともあります。実際の食事場面で、食べ物の飲み込みの訓練をしたり、ご家族に対して、食事内容や介助方法のアドバイスを行います。

聴覚障害の訓練・指導

聴覚検査を行ったり、補聴器装用のアドバイスを行ったりします。また、人工内耳の手術後に聞こえをサポートする訓練も行ないます。

言語聴覚士とは

1997年制定の言語聴覚士法に基づく厚生労働大臣認可の国家資格です。
話すこと・聞くこと・食べることに問題のある方たちに訓練や指導をしてサポートをする仕事です。

以下の障害に悩む方たちを支援しています

  • 失 語 症
  • 話す、書くなどが難しい。言葉が思い出しにくい
  • 聴覚障害
  • 生まれつき言葉を聞くことが難しかったり、加齢や病気などにより聞こえが悪くなる
  • 嚥下障害
  • 上手に飲み込むことができない
  • 言語発達障害
  • ことばの発達が遅い、うまくコミュニケーションがとれない
  • 構音障害
  • ろれつが回らない、おさかな→おちゃかな など発音を誤る
  • 音声障害
  • 声が嗄れる、声が出ない
  • 吃  音
  • 言葉の一部を繰り返したり、詰まる

言語聴覚士の業務

上記の障害でお困りの方に対して、病院でのリハビリテーション医療のスタッフの一員として、検査・評価を実施し、訓練・指導を行います。
幼児から高齢者まで、障害にお困りの方は幅広い年代にわたりますが、小児専門、高齢者専門のリハビリテーションに携わる言語聴覚士もいます。病院以外にも、福祉施設、介護施設、学校、保健所、訪問リハビリテーションなどで活躍しています。

言語聴覚士(ST)になるには

高校卒業者は、①言語聴覚士養成課程のある4年制または3年制の大学、短期大学、専修学校を卒業すること、大学卒業者は、②2年制の大学、短期大学の専修科または専修学校を卒業することで、国家試験の受験資格を得ることができます。
本校は、補聴言語学科で①のカリキュラム、聴能言語学科で②のカリキュラムを受講できます。

資格取得へのプロセス