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【2014年01月 アーカイブ】
1年生は義肢装具の基礎的な製作技術を学ぶ「基本工作論」の実習が終わり、年明けからいよいよ専門科目の実習が始まります。専門科目の実習では製作技術の習得は勿論、適合評価も含めて学習していきます。1年生は、これから3月まで「体幹装具」を製作していきます。今日は学生同士がギプス包帯で体の型をとる採型の様子をレポートします! 今回の処方は、「腰椎椎間板ヘルニア」で手術をした患者様を想定して 採型を行います。これまでの製作実習とは異なり、疾患や患者様への適合を考慮した製作をしなくてはいけないため、授業の難易度も上がり、学生たちの表情も真剣そのものです。 実際にお互いの体を採型してみましょう! 患者様に負担をかけないように手際よくギプス包帯を巻き、素早くカットして陰性モデルを取り外します。お互いに患者役をすると患者様の大変さが実感できますね。常に患者様の立場になって考えられる優しい心配りが必要です。 陽性モデルを起こしたら左右対称にミリ単位で修正していきます。 正確な採型が行われていないと、この修正でいくつもの手直しが必要になります。 みんな一言も喋らず黙々と作業しています。 人体に義肢装具を適合させる難しさを、実感し始めたのではないでしょうか? きれいな陽性モデルが出来上がりましたね! モデル表面の凹凸を指で確認しながら、丁寧に仕上げていますね。 次はいよいよ装具本体の製作です。仕上げたモデルの上に、熱で軟化させたプラスチック材を巻き付けていきます。 今回はモールドジャケットというプラスチック製の体幹装具を製作していますが、次回は金属製の体幹装具を製作します。同じ体幹装具でも材質や種類によって適応となる疾患や機能も変わってきます。それぞれの装具についてしっかり勉強していきましょう!
教務室から, 義肢装具学科
川村義肢株式会社から小畑祐介先生(本学科7期卒業)と藤田晋吾先生(車椅子・シーティング課)にご来校いただき、「座位保持装置」および「車椅子」について特別講義をしていただきました。 座位保持装置とは、疾患により四肢、体幹の変形、姿勢異常がみられ、座位がとれない患者様に対し、変形の予防や日常生活動作の改善を目的とし使用する補装具です。義肢装具士が取り扱う補装具のなかでも、より専門性が求められる分野でもあり、臨床で常にこの分野を担当されている先生方のお話はとても貴重です。 藤田先生には座位保持装置について、基礎知識から制作技術についてご講義いただきました。「姿勢とは?」から始まり、「身体重心」「脳性麻痺」など運動学、機能解剖学、リハビリテーション医学などで学んだ専門用語が次々と出てきますが、3年生ともなるとそれぞれの意味を理解しながら楽しく講義を聞いていたようです。 小畑先生は車椅子を中心に、子供用から成人用、特殊な機構を持つもの、電動車椅子など、さまざまなタイプの車椅子とその適応について分かり易くご講義いただきました。車椅子と言っても、必要とする患者様の状態によってたくさんの選択肢があることを理解できたのではないでしょうか? 続いて、座位保持装置の製作について学びます。座位保持装置の製作方法として、身体各部の寸法を計測する採寸による方法と、適切な座位を再現したうえで身体の型をとる採型による方法があります。今回は写真の専用採型台を用いた採型方法について実習を行いました。 採型に使用する器具の準備をします。患者様の負担を減らすためにも、事前準備がとても大切であることを藤田先生から繰り返しお話いただきました。 準備ができたら患者様の事前評価を行います。変形や麻痺の程度を把握しながら、どのように患者様の姿勢を作っていくか、また、採型者が完成品をどれだけイメージできているかが重要であることを教えていただきました。 事前評価を基に、専用採型台を用いて患者様を安定性良く、かつ楽に座れる姿勢を再現していきます。常に患者様の状態を見ながら素早く作業を進めることが大切ですね! 採型を終えたクッションです。しっかりと身体の形状が再現されています。 この後、ギプスを用いてさらにこのクッションの採型を行います。そして得られたギプスモデルを三次元スキャナでパソコンに読み込ませ、CAD/CAMを用いてスポンジ等の切削加工を行います。 藤田先生に教えていただいたことを踏まえ、いざ、実践です! 夢中になり過ぎて患者様の状態を確認することを忘れないようにしましょうね! 続いて、小畑先生から種車椅子について実際に試乗しながら説明をしていただきました。講義のために大阪(大東市)から10台以上の車椅子を持って来ていただきました。 車椅子の構造を理解したら、次は利用者の視点に立って実際に路上を試乗してみましょう! 日本の道路は水はけを良くするために、中央が盛り上がった“片流れ路”になっています。車椅子を真っ直ぐ操作しているつもりでも、なかなか直進できませんね。車椅子利用者の本当の不便さを理解することが、何よりも勉強です! 狭い路地の走行にも気を使いますね。後ろのほうでは電柱にぶつかっているようですが大丈夫ですか? 車椅子の介助を体験中。車椅子使用者だけでなく、介助者の視点を学ぶことで見えてくることが大きく変わります。常に双方の視点を忘れずに、モノづくりをして下さいね! 以上、2日間にわたって座位保持装置、車椅子を徹底的にご講義いただきました。とても内容の濃い2日間に学生たちはやや疲れぎみのようでしたが、何より最後までとても熱心にご指導いただきました小畑先生、藤田先生ありがとうございました。
ライナーを用いた下腿義足の製作実習が始まりました。これで、この授業で製作する下腿義足は3つめとなります。この時期になると、学生たちもいろいろと製作のポイントが解ってきますので、作業する表情にも余裕が見られます。これまで学んだソケットの理論と一致させながら、しっかり学んで下さいね! 今回はライナーと呼ばれる軟らかい緩衝材を切断端に装着してから採型をします。ライナーを装着すると、切断端の骨の形が分かりにくくなるため、注意して触診する必要があります。正確に触診できているでしょうか? 切断端にギプス包帯を巻く手際も良くなってきました。頭の中でしっかり作業手順が理解できているようです。先生たちも安心して作業を見ていることができます。 奇麗な陰性モデルが採れましたね! モデルさんとのコミュニケーションも、ぎこちなさが抜けて自然に会話ができるようになりました。皆さん、ゆっくりで良いので少しずつ義肢装具士に近づいて行って下さい! 昔から、「義肢装具の適合は、採型(さいけい)の良し悪しで全て決まる」と言われているほど、採型は義肢装具士のモノづくりにとって重要な工程です。学生たちもその大切さをようやく実感できるようになってきました。 次回は、陽性モデル修正から義足組み立てまでの工程をまとめてご紹介します!
新年明けましておめでとうございます。 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。 今年も義肢装具学科の最新情報をこのブログにどんどんアップしていきますので、どうぞ楽しくご覧ください! 年が明け今日から授業が再開し、2年生は「両側支柱付長下肢装具」の製作実習がスタートしました。金属支柱の加工は、1年次の実習で行って以来です。数ある製作物の中でも学生たちはこの金属支柱の曲げ加工が苦手な様子。ここで苦手意識を拭い去るつもりで頑張ってください! 装具を装着する部位の採寸(さいすん)、採型(さいけい)をする前に、まず長下肢装具がどのような疾患に適応し、どのような構造、機能をしているか先生から説明をしていただきます。 次に「歩行観察」です。ヒトがどのように歩いているかを前後、左右からポイントを定めて観察をします。義肢装具士にとって、“歩行を観察する目”を持つことはとても重要です。これがしっかり身に付いていると、義肢装具がどのようにヒトに影響しているかを判断することができます。 次に、装具を製作する上で必要な脚の輪郭を用紙にトレースしていきます。ここでも学ぶべきポイントはたくさんあります。患者様への負担が少なく、効率的に作業を進めなくてはいけないため、学生たちは先生の説明を食入るように聞いています。 次は採型練習です。この装具は脚のトレースから製作する場合と、ギプス包帯で採型して石膏モデルを基に製作する場合の2つの製作方法があります。 2年生もこの時期になると、自信を持って上手に採型できるようになっていますね! 次回は金属支柱の曲げ加工の様子をご紹介します。
12月のとある土曜日、 素晴らしい晴天に恵まれて評価実習指導者会議が行われました。 評価実習は、3年課程である補聴2年生の後期、2月に4週間行います。 夏に1週間の見学実習を行いましたが、 4週間となると実習内容もずいぶん濃いものになります。 患者様に対面し、問診や簡単なチェック、そして検査の実施。 さらにはそれらの結果を解釈していく過程、それが評価実習です。 今回はその実習でお世話になる指導者の先生方をお招きし、 実習指導方法の確認や実習学生との面談を行う会議です。 ベテランの先生はもちろん初めて実習生を担当するという先生も出席されました。 とにかく忙しい中なのに、こうして集まって下さる先生、 学生のことを気にかけてくださりありがとうございます。 会は、実習指導に関するマニュアルの説明からスタート、 そして今回のメインはグループディスカッションでした。 テーマは「いかにして学生の知識を臨床に結びつけるか」。 典型的であって永遠のテーマのようなもの。 終了のアナウンスが聞こえないほどに どのグループもさかんなディスカッションが繰り広げられ、 新バイザーの先生方も積極的に話されていたのが印象的でした。 その後話し合われた内容を発表していただきました。 新バイザーの先生からは、 「ベテランの先生から指導に関する意見が具体的に聞け、 イメージも湧き、とても勉強になりました。」 という感想がいただけたことにうれしく思いました。 2月に行なう評価実習。 より効果的な訓練を行うために的確な『評価』は欠かせません。 来年の臨床実習、 そして1年と少し後に、STとして対象者の方の前に立つ自分をイメージしながら 1人1人頑張ってきてほしいものです。 学生面談の様子。和やかな雰囲気ですすみました。
聴能言語学科・補聴言語学科, 行事報告(補聴)