義肢装具学科News

2年生 短下肢装具の適合実習を行いました。

2年生は下肢装具Ⅰ(実習)にて、脳卒中片麻痺に対する短下肢装具の製作実習に取り組んできました。

前回の講義レポート(2年生 短下肢装具が完成しました。)で完成した、短下肢装具の適合実習を行いましたのでその様子をレポートします!

短下肢装具の適合

一般的な短下肢装具の目的は、

  • 変形の矯正
  • 変形の予防
  • 病的組織の保護
  • 失われた機能の代償または補助

この4つです。

短下肢装具がこの目的を達成し効果的に機能するためには、装着部位と装具が適合していることを基本として、身体全体のアライメントが適切であることが重要となります。

デモンストレーション

先生のデモンストレーションの様子です。まずは、装具を装着して過度な圧迫や緩みなど不適合な箇所がないか確認します。圧迫・緩みに関しては義肢のソケットと同様のチェックポイントになりますが、上述したように装具の場合は、変形の矯正・予防、病的組織の保護、失われた機能の代償または補助、この4つの目的が達成できているか確認します。

変形がある場合は、矯正するために圧迫を加えることも必要になります。この圧迫箇所や力が不適切だと不快感や痛みが生じてしまうことがあります。今回のような脳卒中片麻痺者では、神経の麻痺による感覚鈍麻がみられる場合があり、圧迫が本人には知覚されないことがあります。圧迫が不適切な場合は、装具を外してみるとキズができてしまっていた、ということもあるので特に注意が必要です。

装具の装着に問題がみられなければ、歩行評価を行います。装具を装着しない裸足歩行と比較して歩容が改善しているか確認します。脳卒中片麻痺歩行では、不意にバランスを崩して転倒するなど危険な場面もみられるため注意が必要です。

初めての適合実習を終えて

脳卒中片麻痺者を対象に、4月から短下肢装具の製作実習に取り組んできました。実際の対象者の方との会話、採型、製作、適合実習を初めて行ってみて、どう感じたでしょうか?

下腿義足と短下肢装具の製作・適合実習を通し、1年生の時には漠然としていた義肢装具士という仕事について、少しづつ判然としてきたのではないでしょうか。

この後、3年生に続いて臨床実習となりますが、今度は臨床でより多くの実際の患者さん、ユーザーさんをみて、本人や医師、コメディカルスタッフ、義肢装具士などから話をきくことになります。

みるきくですが、見るのではなく観る聞くのではなく聴くことができるように、今からしっかり準備をしてくださいね!