義肢装具学科News
3年生は、脊柱側弯症の治療用装具である側弯症装具の講義と製作実習が行われましたので、その様子をレポートします!
脊柱側弯症とは?
頭から腰まで連なる背中の骨を一般的には背骨といわれていますが、医学的には脊柱といいます。
脊柱は、7個の頚椎(首の部分)、12個の胸椎(胸の部分)、5個の腰椎(腰の部分)、そして仙椎・尾骨により構成され、横から見ると、頚椎・腰椎は前方に弯曲(前弯)、胸椎は後方に弯曲(後弯)しています。
健常な人では、脊柱を正面から見ると真っ直ぐですが、これが側方に弯曲(側弯)している場合を脊柱側弯症といいます。
脊柱側弯症には様々なタイプ(病型)がありますが、中でも特発性脊柱側弯症が80%を占め、その原因はいまだ不明です。
側弯の程度によって治療方法が変わり、軽度の場合は経過観察、高度の場合は手術療法、中等度の場合は進行防止のために装具療法が適応となります。
特発性脊柱側弯症の発症頻度が高いことから、義肢装具士はこの側弯症を対象とした側弯症装具の製作に携わることがあります。
側弯症装具の採型
まずは、脊柱側弯症の病態と側弯症装具の矯正原理について理解を深めます。適切な装具を提供するためには、この原理を理解することがとても重要です。
先生のデモンストレーションに続いて、採型実習を行います。矯正原理に従って、手技を行う必要があります。
この後、実際の脊柱側弯症患者の陽性モデルを用いて、陽性モデル修正の実習を行いました。
全国の義肢装具士養成校の中でも、側弯症装具の採型および陽性モデル修正の実習を行っている学校は本学を含む一部に限られるので、学生の皆さんには貴重な講義になったと思います。
特発性脊柱側弯のなかでも、思春期特発性側弯症は女の子の割合が高く、心理的負担の軽減のためにも同性の義肢装具士が求められる疾患でもあります。本学の女子学生のなかには、自身が脊柱側弯症を罹患し、義肢装具士に装具を製作してもらったことが義肢装具士を目指すきっかけとなったという学生もいます。
自身の経験を踏まえ、患者さんに安心してもらえるような義肢装具士になれると良いですね!