義肢装具学科News
2年生は下肢装具Ⅰ(実習)にて、脳卒中片麻痺に対する短下肢装具の製作実習に取り組んでいます。
前回の講義レポートでは、横地先生(理学療法士)から脳卒中によって片麻痺が生じた方の理学療法評価と歩行評価についてご講義いただきました。
今回は、学生の皆さんの理学療法評価と歩行評価、短下肢装具の採型の様子をレポートします!
短下肢装具の採型前に、学生一人ひとりが、モデル被験者の関節可動域、BRS、SIAS、MAS、表在感覚の計測・評価を行います。適切な装具の選定と設計を行うために、装具を必要とする方の病態や身体状況を正確に把握することがとても重要となります。
- BRS:Brunnstrom Recovery Stageは、脳卒中などの中枢神経系の障害によって引き起こされた運動障害の回復過程を表すステージ分類です。
- SIAS:Stroke Impairment Assessment Setは、脳卒中の後遺症に対する評価スケールの一つで、運動機能や高次脳機能などを評価するために使用されます。
- MAS:Modified Ashworth Scaleは、脳卒中などの中枢神経系の障害によって引き起こされる筋肉の痙性を評価するためのスケールの一つです。
いよいよ採型です!1年次の義肢装具基本工作論にて、学生同士お互いの身体をモデルとした採型は経験していますが、実際に運動麻痺のある方の採型は初めてなので緊張しながら行っていました。
採型によって正確に身体形状のコピーを得ることが、これから義肢装具を製作するうえでとても大切です。採型はモノづくりの一工程として大切なだけではなく、義肢装具を必要とする方の病態、身体状況や生活環境などを把握するためのコミュニケーションも重要となります。
次回は採型によって得られたコピーをギプスモデルに置き換え、身体形状に適した形状に整える「ギプスモデルの修正」の様子をレポートします!