【補聴言語学科(高卒3年コース)】1年生授業紹介「コミュニケーション概論」
2022/08/15
言語聴覚士はコミュニケーションのプロ……なんて言われます。
「コミュニケーション」と聞いて、皆さんはどんなイメージを持たれますか?
ご家族やお友達との他愛ないおしゃべりもコミュニケーションですが、
例えば、学校の先生やアルバイト先の上司との会話もコミュニケーションですし、
飲食店でアルバイトしているなんて場合は、お客さんとのやり取りもコミュニケーションですね。
これらは言葉は同じ「コミュニケーション」でも、実際に行っている「コミュニケーション」は声かけの方法や会話の内容、態度や姿勢など、異なっているのです…。
また、私たち言語聴覚士が関わる患者さんとのコミュニケーションもまた、一般的なコミュニケーションとは異なり、専門的知識を元に行うスキル(技能)なのです。
そんな違いや会話スキルを学ぶのが、この「コミュニケーション概論」の授業です。
4月、同一法人内にある鵜飼リハビリテーション病院の言語聴覚士である小林瑞穂先生の講義から始まり、患者さんとの会話を想定したロールプレイ、こんな時はどうする?とグループディスカッションしながら、会話技法を学びます。
この写真はロールプレイの様子です。
グループごとに患者さん役、言語聴覚士役を決め、あらかじめ決められたやり取りを患者さん役は演じます。その患者さんに対しどのような立ち位置でどう声をかけるか、を実践してみます。グループメンバーはその様子を見ながら、グループでディスカッションをし、どのような声かけが適当なのか、を相談しあいます。
言語障害のある方には話すだけでなく、文字を使ってみたり…
実際に現場の言語聴覚士が対応に困った場合もロールプレイの場面として提示され、学生も対応に困りつつ、そこから学びを得ていきます。
(リハビリテーションをしようと思っているのに「帰ります」と言われたらどうしましょう…?)
その後最初の実践編として、教員が患者さん役を演じ学生達が言語聴覚士となって10分間会話を行います。ここまでの学びを活かし、会話を展開します。
緊張して多弁になってしまう人、逆に沈黙してしまう人、1問1答形式になってしまう人、話題が広げられず次々変わってしまう人、などなど、色々と苦労しながら会話を行います。クラスメイトの会話の様子も見学しながら「自分ならこうする」とか「この人の声かけはとても素晴らしい」とお互いに評価しながら学びを深めます。
そして最後に待つのは、実際の失語症者さんとの会話体験です。
2年前から開始したこの体験は今年度で3回目。
失語症者の皆さんも毎年学生達との会話を楽しみにしてくださり、快くご協力してくださっています。
何を話そうかと準備をして臨みますが、いざ皆さんを前にすると頭が真っ白になってしまった、とある学生は語っていました。それでも20分間、それぞれに会話を行い、自分自身のコミュニケーションスキルを実践しました。
最後には失語症者の方と記念撮影。
ちょっと疲労の浮かんだ笑顔でしょうか(笑)?
日本聴能言語福祉学院では、1年生の早い時期から、より実践的な授業を行っています。
専門的知識が必要なコミュニケーションって無理……と恐れないでください。
コミュニケーションって苦手…と思っている人でも大丈夫。
そんな人でもどうやったらよいか、を学んでいくのがこの授業なのです。
初めては誰しも不安です。
不安を一緒に悩み、考え、そして学んでいきましょう。