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【2016年09月15日 アーカイブ】
去る7月23日(土)に第5回オープンキャンパスを開催しました! 今回は「義足ユーザーの歩行を観察してみよう!」というテーマで、参加者の皆さんには「体験授業」と「体験実習」に取り組んでいただきました。当日の様子をレポートします! ※参加者のプライバシー保護のため、画像を一部加工しています。 10:00~ 受 付 この日の名古屋は猛暑の1日となりましたが、愛知県だけでなく他県からも大勢の皆さんにご参加いただきました! 10:30~ 学科説明 専任教員より「義肢とは?装具とは?」「義肢装具士の業務とは?」などの説明から始まり、義肢装具学科の特色や、国家試験対策、最新の入試情報などを詳しくご説明させていただきました。 11:30~ 休 憩 オープンキャンパスでは、在校生が参加者の皆さんと直接お話しをさせていただきます。学校生活や講義内容について、在校生から実際の話が聞けることも、本校のオープンキャンパスの大きな特色です! 11:45~ 学生企画「わたしの一週間」 ここでは2年生の学生さんが、一週間の学校生活や義肢装具を学ぶ楽しさについて発表をしてくれました。 参加者の皆さんも学生さんの発表に興味津々の様子でした。 12:00~ ランチタイム 参加者の皆さんと在校生が一緒にランチをとりながら、楽しい雰囲気のなかでいろいろなご質問にお答えしています。 12:30~ 体験授業 午後からはいよいよ体験授業です。 まず、義肢装具学科で行われている講義内容と同じレベルの講義をそのまま受講していただきます。今回のテーマは「下腿義足のアライメント」でした。失われた部分の義足を製作しただけでは、 立ったり、歩いたりすることができないことを理論的に理解して いただけたと思います。義肢装具士はモノづくりだけでなく、患者様に適切にフィッティングさせる技術が必要です。 今回は下腿義足と大腿義足のユーザーにご協力いただきました。 まずは下腿義足ユーザーの歩行観察です。講義で聞いた歩行観察のポイントを思い出して、じっくり観察してみましょう。 歩行中に義足が地面に着いている時間はほんの一瞬ですが、この一瞬にいろいろな体の変化を観察できたと思います。 それでは、義足の調整をしてみましょう! 先生はネジを何回かまわしたようですが、歩行にどのような変化が現れるでしょうか? 義足を調整した後に、再度歩いていただきます。 先ほどの歩行と比べて、どこが変化したか分かりますか? 続いて、大腿義足ユーザーのデモンストレーションです。 大腿義足は、切断端(四肢が残存している部分)とソケットが“吸着”することで義足を懸垂しています。フィッティングが良いソケットは切断端にピッタリと吸着しているため、力いっぱい引っ張っても義足が抜けません! 次は、パラリンピックなどでも使用される「スポーツ用下腿義足」の走行デモンストレーションです。参加者の皆さんは初めて見るカーボン製の足部、通称“板バネ”での走行に興味津々でした! 次は義足ユーザーへの“質問コーナー”です。 参加者の皆さんの素朴な疑問にお二人とも快くお答えいただき、和やかな歓談となりました。 最後は義足歩行を疑似体験できる“模擬義足”の装着です。 慣れないうちは立つのもやっとですが・・・。 先生や在校生からの“義足の歩き方”のアドバイスを受けて、上手に歩けるようになりましたね! こちらは“模擬大腿義足”に挑戦中ですね! 大腿義足は膝上の切断なので、膝関節は人工の関節“膝継手”に置き換えられます。自分で膝の曲げ伸ばしをコントロールできるようにならないと義足に体重をかけることがとても怖い、ということがよくお解りいただけたと思います。 参加者(保護者)の声 とても楽しく、良いオープンキャンパスでした。次も参加したいと思います。 (高校3年) 2回目の実習体験でしたが、前回より上手にできてうれしかったです。歩行観察では、少しの角度のズレで足の動きだけではなく、上半身のゆれ方が大きくなっていたのがとても興味深かったです。 (高校3年) 模擬義足を装着してみて、違和感に戸惑いました。太ももの筋肉がとても疲れた感じがしました。貴重な体験ができて良かったです。 (高校3年) 義肢装具士について知らなかったことがたくさんありましたが、今日の講義でたくさん知ることができました。 (高校3年) 知っていたこともあったけど、知らないことも多く聞けて良かったです。次のオープンキャンパスも参加したいと思います。 (高校3年) 体験授業がとても面白かったです。また、質問の答えが分かりやすかったです。 (高校3年) 今回は模擬義足を装着するという貴重な体験をさせてもらいました。入試がとても不安でしたが、先輩方のアドバイスをいただき少し気分が軽くなりました。合格できるように頑張ります。 (高校3年) 模擬義足の装着体験をさせて頂きました。歩くのがとても難しく、気を抜くと膝が曲がって転倒してしまいそうでした。ユーザーさんの気持ちを体験できました。 (高校3年) 義肢装具士の業務には様々な分野があることを知ってとても驚きました。義足をつけて歩くことができ、良い体験ができました。 (高校2年) 初めて義肢装具士養成校に来て、色々なことを知る事ができて、さらに義肢装具士に興味を持ちました。とても大変そうな学校生活だと思いましたが、同じ目標を持つ学生ばかりなので、とても楽しそうでした。また来てみたいと思います。 (高校2年) 体験授業で実際に義足を使われている方のお話が聞けて、とても面白かったです。今後の進路の候補として考えたいと思いました。 (高校2年) 説明が分かり易く、良かったです。学生さんの普段の生活についても分かり良かったです。義足ユーザーの方とお話ができて良かったです。とても丁寧なわかりやすいオープンキャンパスでした。 (保護者) 義肢装具士という職業にとても興味を持つことができ、子供がこの職業に就けるようサポートしていきたいと思いました。 (保護者) 先生方も学生さんもまとまりがある感じがして、とても良い学校だと思いました。義肢装具士は、今まで自分の身近になかった世界でしたが、参加して大きく社会貢献ができる職業だと分かり、とても好意的に感じることができました。先生方や学生さんの感じもとても親切で良かったです。ぜひ、ここで学ばせたいと思いました。よろしくお願い致します。 (保護者) 今日は学生発表を聞きたくて参加させて頂きました。先生方や生徒さんの雰囲気も良く、いつも気持ちの良い対応をして下さるので、今回も安心しました。お世話になると思いますが、よろしくお願い致します。 (保護者) 参加者の皆さん、今回もご参加いただき、ありがとうございました!今後も義肢装具学科の魅力を伝えるコンテンツをたくさんご用意して皆様のご参加をお待ちしています!
学校説明会, 義肢装具学科
採型に引き続き、IRCソケットの製作実習の様子をレポートします。今回は陽性モデル(ギプスモデル)の修正を行いました。 陽性モデル修正はソケットにIRCの体重支持理論を実現させる上で重要な工程となります。 陽性モデルを修正する前に、骨標本で骨盤の解剖学的な特徴を十分に理解し、採型が正確に行われたかを確認して行きます。 大腿骨の位置を捉えて釘を打ち込みます。IRCソケットは常に骨の位置を確認しながら陽性モデル修正を行います。 実際に義足を装着して立位をとった状態を想定し、製作上のすべての基準となるアライメントを設定します。緻密な作業が続きますが、ソケットの適合性を高めるにはこのような緻密な作業の積み重ねが重要となります。 香川先生のデモンストレーションの進行に合わせて、製作工程が板書されます。細かな修正ポイントが丁寧に示されていて、一目瞭然ですね! さあ、いよいよ実践です! 香川先生の陽性モデルをよく観察して、正確に再現することを心掛けましょう! 次は、ソケットのフィッティング作業の様子をレポートします。 3年生の製作したソケットが、どのような結果となるか楽しみです!
教務室から, 義肢装具学科
大腿義足のソケット(断端を収納する容器)の種類には、大きく分けて四辺形ソケットと坐骨収納型(IRC)ソケットの2つがあり、前期では四辺形ソケットの製作を行いました。 9月からは、より解剖学的な適合を考えて開発された、IRCソケットの製作実習が始まりました。 前期に引き続き、香川貴宏先生(㈱松本義肢製作所)にご指導いただきます。IRCソケットは、四辺形ソケットと比べ、より厳密な坐骨周辺の適合性が求められるため、骨形状を解剖学的に理解していることが重要となります。 IRCソケットは坐骨周辺の形状を正確に採型することが必要となるため、二人一組で採型します。 採型を終えると、陰性モデルのチェックを行います。 IRCソケットの適合の要となる、「骨M-L径」が採寸した数値と合致しているか確認をします。 メインで採型をする人、採型者をサポートする人、お互いの息が合っていないと上手く採型できません。切断者の負担も考えて、段取り良く採型して下さいね! 次回は、陽性モデル修正の様子をレポートします! 10月からは後期の授業が始まりますので、引き続き講義の様子をどんどんお伝えして行きます!
世界的に有名なドイツの義肢パーツメーカー、オットーボック社の特別講義が行われました。この日はオットーボック・ジャパン株式会社より深谷香奈先生と藤田真弓先生にお越しいただき、自社の義足膝継手と義足足部に関するご講義をしていただきました。 深谷先生(写真左)、藤田先生(写真右)は本学院の卒業生であり、義肢パーツメーカーに勤務する義肢装具士として現在どのように義肢ユーザーと関わっているのか、仕事の楽しさや魅力などを交えながらご講義いただきました。 義肢装具士は多種多様な義肢パーツの特徴を理解している必要があります。膝継手や足部の機能が義足ユーザーの生活にどのように影響するのか、しっかり勉強して下さいね! 最後に、「模擬義足」を使って義足足部の感触を一つ一つ体験しました。ご紹介いただいた足部のなかには、小走りができる高機能なものから、ゆっくり歩きで安全性を重視した低活動者向けのものまで幅広くあり、学生たちもこれらの感触の違いに驚いていたようです。 深谷先生、藤田先生本当にありがとうございました!