進化する池田博之さん「笑顔の授業」
2022/06/10
池田博之さん(東京海上日動勤務)は、
かつて鵜飼リハビリテーション病院に入院されていた失語症当事者です。
失語症を多くの人に知ってもらいたい、との想いで、
復職後「笑顔の授業」という活動をされています。
「笑顔の授業」は、鵜飼リハビリテーション病院での職員向け講演をきっかけに
始まったそうですが、その後大きく広がりを見せ、
今や全国の言語聴覚士養成校、関連学会、企業研修などで行われ、
年間で数十回にもおよぶとのこと。
その活動は各メディアでも多く取り上げられています。
実は第一回の笑顔の授業は本学院で行われました。
その成功がここまで広がったと思うと感慨深いものがあります。
以後、本学院でも毎年「笑顔の授業」をお願いしており、
今年も先日「笑顔の授業」を行っていただきました。
今回の「笑顔の授業」は、東京海上日動の吉澤部長、鵜飼リハビリテーション病院・伊藤梓言語聴覚士も登壇され、それぞれの立場から、池田さんのこれまでの活動をご紹介いただきました。さらにクイズコーナーやグループディスカッションなど、さまざまな形で失語症の理解が深まるような構成となっており、進化しつづけている池田さんを感じ取ることができました。
最後に参加した学生の感想をご紹介します(抜粋)。
「池田さんが途中でうまく言えない時、『もう一回』と言って言い直そうとする姿が印象的でした。諦めたり、言い換えたりせず、頑張って言い直そうとする池田さんの姿が素敵だと思いました」
「印象的だったのは、池田さんの『言語聴覚士は戦友』ということばです。言語聴覚士は共に戦う仲間である、とおっしゃられたことで、言語聴覚士としてあるべき姿勢を学びました」
「たくさんの社員の方が、池田さんと話すことで前向きになったり、自分自身に気付きが得られる、というお話を聞き、障害者雇用のイメージが変わりました。雇用される側にメリットがあるだけでなく、会社の側にもメリットがあるWIn-Winの関係なんだと思いました」