BLOG - 聴能言語学科・補聴言語学科

【聴能言語学科(大卒2年コース)】症例報告会~患者様のこと、さらに広く深く学ぼう~

2022/10/26

 例年、臨床実習が終了すると、実習で担当した患者様について、教員やクラスメイトの前で発表する「症例報告会」があります。

 

学生が1人ずつ、実習で担当した症例の病名などの基本的な情報、言語検査結果などの評価内容、訓練プログラムなどを発表し、質疑応答、教員からのコメントなどもあります。

 

今年は、質問も活発に出て、報告会としての学びの雰囲気は良いので、例年ならこれだけでもOK!なのですが、今年度はちょっと物足りない・・。

 

というのも、今、学院では、古くから言われているけれども、学生や新人言語聴覚士ではなかなか難しい「病気や障害を診るのではなく、患者様を一人の人間として診て、これからの生活や人生をしっかり考える」という「リハビリの基本」を、本気で身につけるためのプログラム「実践力育成教育」に取り組んでおり、発表にもその成果がいつも以上に盛り込まれていてほしいと思ったからです。

 

言語聴覚士の専門的視点での発表はまずまずの学生もいます。

しかし、例えば、これまで何度も悪性腫瘍の再発を繰り返してきて今回は脳腫瘍のため言語障害となった高齢の患者様はどんな思いを抱えてリハビリテーションに取り組んでいるのか、80代の母親と二人暮らしの50代の男性は言語障害と片麻痺となって今後の数十年どんな生活、人生を辿るのか・・といった、「一人の人として」の視点での掘り下げは発表会の時間内では不完全燃焼。

 

でもそれがリハビリに携わる専門職であれば必ず考えることで重要なのです。

今年度は後日、報告会での発表内容を元に、時間をかけてディスカッションや、教員の解説を盛り込んだ勉強会を開催しました。

この成果が後期の症例報告会に活かされるといいなと思います。

 

教員室から

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