失語症患者様の講演会~これからSTになるみなさんへ伝えたいこと~
2019/04/29
3月某日、
本学院の属する珪山グループの「鵜飼リハビリテーション病院」を退院された失語症患者様の講演会を行いました。
実は今回の講演会はただの講演会ではありませんでした。
それは、今回ご講演いただく失語症患者様は、ご自身の業務の一環で講演にいらっしゃったのです。
脳梗塞発症から3年、失語症と闘いながら復職を果たした池田博之さん(下写真:東京海上日動火災株式会社)は、現在、同社の「人事企画部人権啓発ダイバーシティ推進室参事」というお立場で、失語症理解を促進するための普及活動に取り組んでおられます。
今回の講演会は、そんな池田さんが復職に至るまでの苦しい道のりと、
そして、これから言語聴覚士になろうとしている学生たちへのメッセージが盛り込まれた、とても、とても、深い意味のある講演でした。
終了後の学生の感想にも、もちろんそれは表れていました。
以下にその一部を紹介します。
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本日は、失語症となってから復職に至るまでのお話を聞き、うまく言葉では表せないほど強く心に響きました。自分の志を再確認し、将来の自分のあるべき姿を描けたように思います。授業では症状について学び、生活においての困難さを考えることはあり、書籍でも知識として表面をなぞるように知ることはできました。しかし今回は、池田さんから直接講義をしていただくということで、より心に近く、傍観者としてではなく、自分に対する課題としてお話を聞くことができたように思います。(後略)
(聴能言語学科 Aさん)
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(前略)
これから言語聴覚士になるみなさんへ、と池田さんが伝えて下さった内容は、机上ではきっと学ぶことは出来ないけど、これから言語聴覚士になるためにしっかりと胸に刻んでおくべき内容だと感じました。
そしてそれを学生のうちに知ることが出来るという、とてもありがたい機会を頂けたことを、本当に感謝しています。この講演を聞いて池田さんをはじめとするご家族の方や担当の言語聴覚士、会社の戦友、就労センターの方など、色々な職種の方々が色々な方面から努力されていて、言葉にできないような熱い気持ちが伝わってきました。この気持ちを決して忘れることなく、言語聴覚士になれるようにこれからも日々励んでいきたいと思いました。
(補聴言語学科 Bさん)
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6月に行われる愛知県言語聴覚士会学術集会でも、池田さんのシンポジウムがあるようです。
今後のみなさんがSTとしてどうあるべきか、を教えていただけた今回の講演でした。
池田さんからのメッセージを決して忘れず、
そして池田さんに負けない努力で、ST道を邁進してください。