補聴言語学科1年生 「保育実習」を行いました!
2018/09/10
補聴言語学科では、1年生の毎年8月、学院の近隣にある保育園4園にご協力いただき、3日間の保育実習を行っています。
この実習では、保育園に通うお子さんたちと触れ合うことで、
子どもたちのことばの発達や全体的な発達を観察し、正常な発達を理解することを目的としています。
また、さらには保育士さんが子どもたちとどのように関わっているか、そのコミュニケーションの方法なども観察し、将来、言語聴覚士としてお子さんとどのように触れ合ったらよいかということも勉強してほしいと思っています。
実習中の3日間は、子どもたちと一緒に保育に参加します。
この時期は毎日プール遊びが予定されていて、
ちょうど記録的な猛暑だった今年は、学生たちもより楽しく参加できたようです。
以下に、少し長くなりますが、学生の感想を紹介します。
こどもたちと触れ合う中でその様子をよく観察し、学校で学んだことと結びつけることができたようです。
また、保育士の方の仕事から学ぶことも多かったようですね。
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★Aさん
(前略)
私が実習させていただいたクラスには自閉症スペクトラム障害や、多動性障害、アスペルガー症候群の兆候が見られる子が他のクラスに比べ多くいたが、確かに給食を食べるのがいつも遅かったり上手に食べられなくて泣いてしまう子、先生の方を向いて話を聞けない子などほかの子と違う行動をとることは多かった。
しかし同時に、大人の言うことを聞くときは聞き、自分で考えて行動するときは自分で考えるなど、4歳児が想像したよりも受動的な部分と能動的な部分を使い分けている印象を受けた。
そのなかで発達障害の兆候が見られる子は置いていかれてしまったりもするが、周りの子もそれをサポートしたり、違う行動をとっても教えてあげたりしていた。
また、置いていかれてしまう子、というのは必ずしも周りが見えていないとか、俗に言う空気が読めないということではなく、物事を理論的に捉え、「なぜそうしなければならないのか」という面で疑問を抱いているのではないだろうかとも考えた。
実際に、すべての行動に遅れをとっているわけではなく、お昼寝の時間は自分で布団を敷いて寝ることができたりもするため行動に理由や意味をつけているではないかと推察した。
障害あるなしに関わらず、発達には個人差もあるし、一人一人の性格や思考を予測し寄り添うことが大事だと感じた。
(後略)
★Bさん
(前略)
また、児童に自立を促す――つまり自分のことを自分でやってもらう上で、コミュニケーション概論で学んだオープンドクエストチョン・クローズドクエスチョンを応用することができると思った。
例えば、なかなか昼食を食べようとしない子どもには「お肉食べようね、スープも飲んでみようか」とそのまま言うのではなく、「お肉食べる?それともスープ飲む?」と聞いてみると、どちらかのことをしてくれる。
このように、児童との関わりも1つの立派なコミュニケーションであることを意識して接することが大切であると感じた。
そして児童との関わり以外で最も強く感じたことが、保育士の方々の裏方作業がいかに児童の日々の生活を支えているかということである。
児童がお昼寝している時間や降園してからの時間に、児童がより快適に、尚且つ楽しく過ごすために必要な物・役に立つ物を毎日のように保育士の方々が作っていたのだ。
私もこの作業を手伝わせて頂いたのだが、その量や作業の繊細さに驚いた。
このような見えないところでの保育士の方々の働きが児童の学園生活を支えていることにとても感服した。
最後に、保育士は仕事を行う中で、児童の家族のことや友達のこと、その他プライベートな部分も含めたデリケートなことを知る機会が多い。
だからこそ、しっかりと児童を観察して虐待ほか児童の成長・発育を妨げるものはないか見ることが大切であり、それは私が目指す言語聴覚士でも同じであると肝に銘じることが重要であると強く認識した。
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いかがでしょうか?
大変有意義な3日間になったようです。
この経験はこれからの勉強にきっと活きると思いますよ。