3年生 IRCソケット製作実習レポート③!
2017/09/20
義足適合までには、3つの調整段階があります。
まず、基準となるアライメントを決定する「ベンチアライメント」。この段階は机上での作業であり、まだ切断者は義足を装着しません。
次に、歩行を行う前段階として静止立位におけるアライメントが適切か、安全な試歩行が行えるか確認するための「スタティックアライメント」。ここで切断者は実際に義足を装着しますが、静止立位であり、まだ歩行をしてもらう訳ではありません。
ここまでのアライメント調整が完了したところで、実際に義足で歩行してもらい、歩行状態でのアライメントを決定する「ダイナミックアライメント」に移行します。安定的かつ健側とのバランスが整った歩容が得られたところで、調整終了となります。
今回は、スタティック、ダイナミックアライメントの基準となるベンチアライメントを、坐骨収納型ソケットの理論に則って組み立てました。
歩行中、健側が床面から離れ、義足側だけで体重を支えて真っすぐに立つ瞬間を「立脚中期」と言います。この立脚中期に、床面に対して垂直になる線を「基準線」といい、文字通りこれが義足を組み立てる上での基準となります。ベンチアライメントでは、この基準線が床面に対して垂直かつ膝継手、足部の規定の位置を通過する必要があります。
こちらの学生さんは、微調整に四苦八苦しているようですね。
クラスメイトにも確認してもらいながら、正しくベンチアライメントを組み立てましょう!
同じ切断者をモデル被験者として採型・修正を行いましたが、完成した義足は十人十色ですね。誰が正解、というものではなく、理論通りに製作されているかが重要です。もちろん、触って危険な箇所はないか、ザラザラして着け心地が悪くなるような箇所がないか、など使用者に配慮した製作ができているかということも重要です!
回の大腿義足(坐骨収納型ソケット)では、使用する膝継手は自由選択とし、学内にある備品から学生たちが個々に選択をしました。
先日ご講義いただいたottobock社の製品を選択する学生が多かったようです。八幡先生、仲内先生の言われていたように、パーツ選択の重要性について考えながら選ぶことができたでしょうか?
これで大腿義足(坐骨収納型ソケット)が完成しました。
次回はいよいよ適合実習の様子をレポートします!