2年生 PTBソケットの樹脂注型を行いました!
2018/05/31
2年生が取り組むPTB式下腿義足の製作は、陽性モデル修正が終わり、いよいよ切断端を収納するプラスチック製の硬質ソケットを製作します。
PTBソケットでは、ソケットと切断端の間にクッション性のあるソフトインサートを装着します。材料には天然皮革や軟性発泡樹脂を使用して製作します。
皮革を陽性モデルの形に縫製する前に、革の合わせ目に段差ができないように革の両縁を裁革刀で漉(す)きます。この革を「漉く」という作業は、刃物の使い方はもちろんですが、刃物がきちんと研がれていないと上手にできません。
陽性モデルに革を被せ、次に軟性発泡樹脂を短冊状に貼り合わせることでソフトインサートが完成します。
ソフトインサートが完成したら、続いて硬質ソケットの樹脂注型を行います。まずは、離形フィルムとなるPVAバッグをソフトインサートの上に被せます。
PVAバッグの上に積層材を積層し、液体樹脂を流し込みます。真空ポンプによって陰圧を発生させることで液体樹脂が積層材に染み込み、化学反応によって硬化します。
こうして作られるプラスチック材料をFRP(繊維強化プラスチック)といい、軽量、高強度というのがFRPの特長です。
液体樹脂が完全に硬化したことを確認し、石膏を割り出してソケットは完成です。
この日は夕方まで実習が続きましたが、学生たちは集中して黙々と製作に取り組んでいました。
次回は、ソケットのトリミングから義足の組み立てまでの様子をお伝えします!