会長挨拶

1期生の私が学院に入学したのは、昭和60年の春でした。

当時の言語聴覚士養成校といえば、全国にごくわずか、数校しかありませんでした。そのような時代に、先代の理事長である鵜飼昌訓先生が言語聴覚士の必要性に目を向け、民間の養成校における初の大卒2年課程として本学院は誕生しました。当時の校舎は現在よりもはるかに小さく、学生数も1クラス15名程度、まさしく「寺子屋」教育でした。臨床に対する熱い思いを抱く仲間とともに、日夜勉学に励んだことが懐かしく思い出されます。

その頃から約10年が経った平成9年、言語聴覚士法が誕生した年に本同窓会も誕生しました。本会の第一の目的として、まず「卒業生である同窓会員のバックアップ」があります。全国各地で活躍する多くの卒業生たちの知識や技術の向上に寄与し、親睦を深めるため、研究会や講演会の開催や会報の発行など、種々の活動を行っています。

そして本会の運営の目的としてもうひとつ、「後輩と学院のバックアップ」があります。時代の流れとともに言語聴覚士の養成教育も少しずつ変化しているようで、国家資格化に伴い養成校数が激増し、全国各地で養成教育が受けられるようになりました。言語聴覚士養成の裾野が広がったと考えれば喜ばしいことではありますが、4年制大学、短期大学、専門学校など、その形態は様々、その教育方針も様々であると耳にします。幸い、日本聴能言語福祉学院は、これまでに巣立った多くの卒業生たちの活躍とともに長い養成の実績から業界でも高い評判を得ております。現在も多くの学生たちが言語聴覚士になることを目指して学んでいますが、彼らをより実力のある言語聴覚士に育てるため、本会員の協力は欠かせません。実習指導や講義など、我々ができることは多くあります。そしてそれは、我々を言語聴覚士として旅立たせてくれた学院への恩返しにも値すると考えています。

発足当時には100名程度であった会員数も現在では600名を超え、先に述べました2つの目的という重責を果たすため、今後も本会は歩んでいきます。みなさんのご理解とご協力をお願い申し上げます。

専門学校 日本聴能言語福祉学院 若宮ST同窓会
会長 石黒 雄次(聴能言語学科 1期生)