平成21年度
◎研究会
平成22年1月23日(土)開催 於:日本聴能言語福祉学院 5階多目的ホール
(講演1)
「言語聴覚士と小児関係機関との連携について〜小学校ことばの教室との連携を中心に〜」
松岡 真由 先生
(江南厚生病院 リハビリテーション科 聴能言語学科12期生)
<座長> | 村田 貴志子先生 (桑名市療育センター 聴能言語学科7期) |
山口 昌美先生 (すぴ〜ちまぁむ 聴能言語学科8期) |
(講演2)
「言語聴覚士と介護支援専門員との連携について」
中内 一暢 先生(湯の里ナーシングホーム 聴能言語学科5期生)
<座長> | 阪野 雄一先生 (セキスイオアシスセンター 補聴言語学科1期) |
(実行委員より)
言語聴覚士にとって、他部門との関わりなくして日々の業務を遂行していくことは出来ません。患者様のニーズに応えるため、また、より良いサービスを提供するためにも他部門との連携が重要と考え、今回は小児分野・介護分野より「連携」をテーマに講演を企画いたしました。
江南厚生病院の松岡真由先生には、言語聴覚士と小児関係機関が連携を必要と感じていても、組織立っていない場合「業務内で活動することができない」・「長続きしない」という問題点や連携のコツ、今後の課題についてお話いただきました。
湯の里ナーシングホームの中内一暢先生には、言語聴覚士を基礎資格とする介護支援専門員が業務を行うことで連携が可能となり、問題が解決できた例や、ある居宅支援事業所の介護支援専門員が言語聴覚士について理解不足であり、そのため連携も不十分であったというアンケート結果の報告などのお話をいただきました。
今回から座長を置く形式を取り、講演のあとに座長と演者が討議する時間を長く設けました。これによって、来場された皆さんがより深く講演内容が理解できたのではないかと思います。
講師や座長の先生方には大変ご多忙の折にも関わらず、依頼をご快諾いただきました。ここに厚くお礼申し上げます。
平成20年度
◎研究会
平成21年1月31日(土)開催 於:珪山ホール
(講演1a)
「集中嚥下リハビリによって全量経管から全量経口摂取可能となった2症例」
柘植さやか先生(刈谷豊田総合病院 聴能言語学科20期生)
(講演1b)
「チームアプローチにより発症3ヵ月後から著明な改善を示した延髄外側梗塞に伴う嚥下障害の1例」
浅野智子先生(刈谷豊田総合病院 聴能言語学科17期生)
(講演2)
「失語症専門デイサービスの活動報告」
阪野雄一先生(セキスイオアシス株式会社 補聴言語学科1期生)
(実行委員より)
今回は、医療費抑制政策によって病院におけるリハビリテーションの提供が短縮されている中、その後のアプローチやQOLの向上などの問題を取り上げ「在宅支援」を、またそれに伴い必要となってくる「嚥下障害」をテーマに講演を企画いたしました。
刈谷豊田総合病院の柘植さやか先生には、入院による集中的なリハビリを導入することで訓練量の増大やリスク管理下での適切な訓練が可能となり、著明な改善を認めた症例についてのお話をいただきました。また、刈谷豊田総合病院の浅野智子先生には、STだけではなく他職種と連携したアプローチによって、より効果的な訓練が可能となり、発症後数か月経過している症例でも改善がみられたことについてお話をいただきました。
最後に、セキスイオアシス株式会社の阪野雄一先生には、全国的にも珍しい失語症専門デイサービスにおいて、病院の機能訓練だけではQOLの改善は難しいとされつつある中で、どのような活動をされているかというお話をいただきました。
先生方には大変ご多忙の折にも関わらず、講師をご快諾いただきました。ここに厚くお礼申し上げます。
平成19年度
◎学術講演会および懇親会
平成19年8月19日(日)開催 於:名鉄ニューグランドホテル
(講演1)「認知症について」博野信次先生(神戸学院大学教授)
(講演2)「語彙障害と意味セラピー」
中村光先生(岡山県立大学教授・聴能言語学科6期生)
懇親会 会食・記念撮影・「学院の歩み」スライドショー上映
(実行委員より)
例年の研究会よりも規模を大きくした今回の講演会には、全国の同窓会員を中心に130名を超えるみなさんが参加してくださいました。また初の試みとして託児室を設けましたところ、6人のお子さんのご利用がありました。
お二人の講師をお招きしての学術講演会は特に盛況でした。まず、神戸学院大学教授の博野信次先生による「認知症について」は、関西弁でユーモアを交えた明快な説明に、みなさんが引き込まれていました。アルツハイマー病を中心とする変性疾患としての認知症と、他の認知症との鑑別や、比較的珍しい症例などを、ビデオを通して紹介していただき、あっという間の90分でした。2講演目は岡山県立大学教授の中村光先生による「語彙障害と意味セラピー」でした。失語症の臨床における基本的な考え方や、「意味」の構造について、先生のご研究をもとに、わかりやすく解説していただきました。明日からの臨床にいかせる、実践的な内容を含めてお話していただきました。参加されたみなさんからは、口々に「非常に勉強になった」「遠くから来た甲斐があった」などの声をいただきました。今後も、みなさんの知識・技術の向上に役立つ会を企画していきます。
平成18年度
◎研究会
平成19年1月21日(日)開催 於:珪山ホール
(講演1)「呼吸機能の基礎知識とリハビリテーションの実際について」
岸川典明先生(愛知医科大学病院 リハビリテーション部)
(講演2)「呼吸・発声障害に対する運動的アプローチ」
渡邉佳弘先生(国立長寿医療センター・聴能言語学科2期生)
(実行委員より)
当日は寒さが大変厳しい中にもかかわらず、遠方から駆けつけてくださった方も多く、学生を含め100名を超える参加をいただきました。今回のテーマは、臨床現場において運動障害性構音障害の方は呼吸・発声に問題を抱えていることが多く、そのアプローチ法などで悩むことも多いということで、実行委員一同で「呼吸・発声」と決めました。当日は多く質問が出るなど参加された方々の「呼吸・発声」への関心の高さも窺い知ることができました。
講師の岸川典明先生(愛知医科大学病院)には、急性期および慢性期における呼吸理学療法の考え方や実際の呼吸介助法、効果的な排痰方法などより良いアプローチへの手がかりやヒントとなるお話をいただきました。また、渡邉佳弘先生(国立長寿医療センター)には、先生ご自身が関わられた症例をもとに、私たちが実際の臨床で使える様々な工夫や、STとして「絶対にあきらめない」という心構えをお話いただきました。臨床現場で起こりがちな、医療者側が「もうプラトーだから」と限界を作ってしまうことの危険性について改めて気付かせていただけました。両先生ともご多忙の折、今回の講師をご快諾いただきました。ここに厚く御礼を申し上げます。