先輩メッセージ ~海外で活躍する義肢装具士~
2021/08/16
本校の義肢装具学科を卒業後、海外の義肢製作会社で活躍している先輩がいます。
この記事では、義肢装具の本場ドイツで働く、玉村 純也 さん(義肢装具学科 第16期生)からの先輩メッセージを紹介します。
ドイツ フランクフルト市で働く
玉村 純也 さん(義肢装具学科 第16期生)
◆現在の職場(会社)について教えてください。
現在、私はドイツのフランクフルト市にあるSanitätshaus Pauli(ザニテートハウス パウリィ)という会社に勤務しています。
日本で例えると、義肢装具製作会社と同じ業務を行っている会社です。
また、弊社は義肢装具だけでなく、介護用品、車椅子などさまざまな製品を扱っています。
◆職場での現在の業務内容について具体的に教えてください。
私は「整形外科靴マイスター」として勤務しています。
医師の補装具の処方に基づき、患者様にアインラーゲン (足底装具)、靴型装具(以下、整形靴)の採型及び採寸、適合を主な業務としています。
主として糖尿病患者の整形靴に特化しています。
整形靴の製作の様子
◆ドイツの「整形外科靴マイスター(国家資格制度)」について教えてください。
ドイツで整形外科靴マイスターになるためには、マイスター学校で最低1年間の学習期間が必要となります。
また、このマイスター学校に入学するための前提条件として、
①ドイツ国内で「ゲゼレ資格」を持つ者
②外国でマイスター学校に入学するための卒業資格(ゲゼレ資格と同等の卒業資格)を持つ者
というものがあり、これらを満たす者に入学が許可されます。
マイスター学校では整形靴に対する実技と座学試験に合格し、それ以外の専門的な知識(経営や簿記、見習いの教育)の資格取得が義務付けられています。
それら全ての試験に合格することで、整形外科靴マイスターの国家資格を取得することができます。
「日本人男性が遠くの地で整形外科靴マイスターの称号を獲得する」
というタイトルでドイツの地方新聞に玉村さんの記事が掲載されました。
◆日本聴能言語福祉学院での学生時代について教えてください。
学生時代はあまり良い学生ではありませんでした(笑)
成績もそれほど良くなく、クラスメイトと比べても手先は器用ではなかったと思います。
また、当時は今ほど整形靴が注目されていなかったように思います。
学院の講義でも整形靴に触れる機会は多くありませんでした。
そのため、2年生の臨床実習時に、大阪の義肢装具製作会社で整形靴の製作を間近で見させていただいたことは、私にとって良い経験になりました。
(まさか、私が将来ドイツで整形外科靴マイスター資格を取得するとは、日本聴能言語福祉学院の先生方も想像していなかったと思います(笑))
玉村さんが製作した製品
◆義肢装具学科の在校生へメッセージをお願いします。
日本には「好きこそ物の上手なれ」という言葉があります。
在校生の皆さんは、きっと学生時代の私より手先が器用な人が多いと思います。
ただ、私のように手先が不器用でも、自分の興味の持てる分野を見つけて研鑽していけば、それが自分の強みになると思います。
後輩の皆さんの今後の活躍を楽しみにしています!
◆これから義肢装具士を目指す皆さんに、メッセージをお願いします。
義肢装具士は、患者様の義肢(義手、義足)や装具(コルセットなど)を病院で採寸及び採型、適合することを仕事としています。
そこに整形靴も含まれています。
日本聴能言語福祉学院では、義肢装具の知識や技術を臨床経験豊富な先生方や専門領域の講師などから多角的に学習することができます。
また、私学の義肢装具士養成校として日本で第一校目に設立された日本聴能言語福祉学院の卒業生は、国内だけでなく世界中で活躍しているのため、在学中にこの卒業生から学ぶ機会が多くあります。
“モノづくりが好きな方”や“人と接することが好きな方”は、ぜひ私の母校である日本聴能言語福祉学院で義肢装具士を目指されることをおすすめします!
玉村さんが製作した製品
以上、海外で活躍する義肢装具士からの先輩メッセージをお伝えしました。
臨床実習での経験から、海外で整形外科靴マイスターとして働く道に進んだ玉村さん。
「好きこそ物の上手なれ」
日本聴能言語福祉学院で義肢装具士を目指す学生のみなさんも、在学中に「好きな物」を見つけましょう!
新型コロナウイルスはいまだに猛威を振るっていますが、玉村さんもお体に気を付けて日々の業務を頑張ってください!!
未来の義肢装具士たちに向けての先輩メッセージ、どうもありがとうございました!!