ottobock社の特別講義が行われました!
2017/09/08
去る9月8日(金)、世界的なドイツの義肢パーツメーカーであるオットーボック社の特別講義が行われました。
この日はオットーボック・ジャパン株式会社より八幡済彦先生(写真左)と仲内信行先生(写真右)にお越しいただき、自社の義足膝継手と義足足部に関するご講義を、歩行デモンストレーションとともに行っていただきました。
八幡先生からは、義足膝継手と義足足部の機能や適応について詳しくご講義いただきました。講義中に八幡先生から学生たちにいろいろと質問があり、前期の講義で学んだことを思い出しながらしっかりと答えていました!
続いて、仲内先生による大腿義足歩行デモンストレーションです。
八幡先生の講義に出てきた製品に次々と交換していただきながら、実際に作動する様子をとても分かりやすく実演していただきました。
仲内先生は、「義肢装具の世界では知らない人はない」と言っても過言ではなく、あらゆる膝継手を装着した経験を持ち、リクエストに応じて様々な歩き方ができるという、義足のコントロール能力に優れた“スーパーモデル”としても有名な方です。
まずは、膝継手を何も調整せずに歩行してもらったところ、仲内先生から「つま先が引っかかる」という訴えがありました。
「調整できる人!」ということで、一人の学生が元気よく名乗り出てくれました。
さすが、2度の臨床実習を経験した3年生ですね!仲内先生と上手にコミュニケーションをとりながら、適切な調整をしていました!
製品の良い点ばかりではなく、義足ユーザーの立場からこの膝継手でできること、あるいはできないことを分かりやすく実演を交えて説明していただきました。今後、臨床現場で義足パーツを選択する際の参考になりましたね!
最後に、仲内先生が日常使用している膝継手のデモンストレーションをしていただきました。これは、搭載されたマイクロコンピュータにより、義足側の脚が地面についている時の安定性や、地面から離れている時に膝継手の曲がる角度と速度を制御し、さらに防水機能まで兼ね備えたottobock社最新鋭の膝継手です。
「すべて膝継手が考えてくれるので、使用者は何も気にせずに歩くことができる」そうです。
高機能、高性能のため、その価格は高級車が一台買えてしまうほどだとか。しかし、学生たちはこの性能ならば納得といったところでした。
八幡先生、仲内先生からは「高性能だからと言って、すべての切断者に適応するわけではなく、使用者の生活環境や活動度を見極め、最も適した製品を選択することが大切。義肢装具士がこの膝継手の機能を気に入ったとしても、使用者の体力や生活環境などがマッチしていなければお勧めしません」というお話があり、学生たちは改めてパーツ選択の重要性を学ぶことができました!
義肢装具士は多種多様な義肢パーツの性能を理解している必要があります。義足膝継手や義足足部の機能が義足ユーザーの生活にどのように影響するのか、しっかり勉強して下さい!
八幡先生、仲内先生、本当にありがとうございました!