2008年12月15日

秋の叙勲:瀧本前学院長の受章に思うこと-言語聴覚士専門学校教員のつぶやき(11)-

ちょっと遅ればせながら学院のビッグニュース!

前学院長の瀧本 勲先生(愛知医科大学名誉教授、医学博士)が
平成20年秋の叙勲において長年の教育に対する功績功労が認められ、
瑞宝小綬章(ずいほうしょうじゅしょう:この類の言葉は難しすぎます・・。間違っていても勘弁して下さい・・。)を受章されました。

瀧本先生(ブログ叙勲).bmp 瀧本先生(ブログ).bmp

前理事長に続き学院関係者二人目の受章ですが、
やはり受章を知ってから数日は
「こういう時は何をどうすれば良いのか?」
「まずは先生に『おめでとうございます』と言うべき?お祝いは?」
とあたふたしてしまいました。

思い起こせば私が学院に新任教員として赴任したばかりの時。
前職場の病院では
言語聴覚士としてある程度様々な経験を積んだつもりでしたが、
教育の現場では全く勝手が違い、
毎日学生の対応と自分の講義の準備をするだけでも精一杯でした。
そんな私に瀧本先生は
「教員というものは
『教育・臨床・研究』の3つをきちんとしていかなければならない」
と常々仰っていました。

その時は「教員なのだから、まず教育ではないのか?」と疑問に思い、
毎年課された業績報告書
(自分がした学会発表や論文など研究の記録をまとめたもの)
提出のシーズンになると少し憂鬱な気分になっていました。

でも気が付けばかなり長い年月がたち、
苦しみながらも自分なりに教育・臨床・研究を続けてきて
振り返ってみると先生は教員にとってとても大切なことを教えて下さったと思います。

言語聴覚療法の領域は日進月歩。
新しい知見は書籍を読めばある程度入手可能で授業もできるかもしれないけれど、臨床の場でそれを実践しなければ分からないこともたくさんあります。

しかし、ただ漫然と臨床をしているだけではだめで、
臨床の中で生じた疑問を解決したり、
アイディアを形にして臨床能力をよりグレードアップする手段の一つが研究です。

そして、そういう一連の流れに取り組んでいる時、
なによりも言語聴覚士としてワクワクしている自分がいる。
それを「学生に伝えたい!」という気持ちが教育の源かもしれない、
それなしでは教育の質を保ちながら継続していくのは困難だ

というのが今の私の考えです。
瀧本先生の教えがなければ私は底の浅い教育しかできず、
時代の流れの中、どこかで行き詰まり、
もしかしたら教育の現場にはいられなかったかもしれません。

偉そうなことを書いてしまいましたが、まだまだ私は道半ばです。
これからも先生の教えを日々丁寧に実践していきたいと思っています。

先生本当におめでとうございます。

聴能教員P(小).jpg
聴能教員P

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