先輩メッセージ ~海外で活躍する義肢装具士~ vol.2
2021/07/20
本校の義肢装具学科を卒業後、海外の義肢製作会社で活躍している先輩がいます。
この記事では、前回のvol.1に続いてオーストラリアで義肢装具士として働く、大谷 洋史 さん(義肢装具学科 第16期生)からの先輩メッセージを紹介します。
オーストラリア ブリスベンの義肢製作会社に勤務する
大谷 洋史 さん(義肢装具学科 第16期生)
◆日本聴能言語福祉学院での学生時代について教えてください。
1年生の時は本当に大変でした。
今まで聞いたことのない医療や義肢装具の専門用語を覚えなくてはいけないし、今まで触れたことのない工作機器や工具を使ってモノづくりをしないといけないので、ほぼ毎日が戸惑いの連続でした。
しかし2、3年生になると、自然に専門用語が理解できたり、臨床実習で現場の雰囲気を感じたり、授業で実際の義肢装具ユーザーとコミュニケーションをとることで製作する義肢装具を具体的にイメージすることができるようになりました。
授業で学んだ知識と「モノ」を作るイメージが自分の中でリンクしていくことが何より楽しく、自分の成長を実感できた3年間でした。
◆義肢装具学科の在校生へメッセージをお願いします。
「今、学校で学んでいる知識と技術は世界にもつながっている」と信じて勉強に励んでください。
多くの義肢装具の理論は海外から日本に伝わったものだと思います。
だから皆さんが勉強している内容や費やした時間は、場所は違いますが、世界中の義肢装具士養成校でも同じ時間が流れています。
義足がうまく作れなくて悔しい思いをした時も、同じようにオーストラリアの学生も悔しい思いをしています。
言語は違いますが、その国々で作られた義肢装具を見れば、それがどのような製品なのか理解できます。
日本だけ特別な義肢装具を作っているということではありません。
日本聴能言語福祉学院で学んだ知識や技術がどれだけ世界で通用するか挑戦してみたい、という想いで学業に取り組んでいただきたいと思います。
日本ではまだ珍しい、5指可動の筋電義手
◆これから義肢装具士を目指す皆さんにメッセージをお願いします。
義肢装具は情報と状況からイメージしたモノをしっかり形にして、それを利用者に提供する仕事だと思います。
そのイメージも現在だけではなく、数年後にはどのように変化しているかを考えなくてはなりません。
利用者の状態を診て、義肢装具に最新の技術を取り入れるべきか、それとも既存の技術のほうが良いのか、常に分析と挑戦の繰り返しです。
中途半端な仕事をすれば、それなりの結果と信頼しか得られません。
とても厳しい仕事ではありますが、不安や迷いを感じたとき、それを味方してくれるのは多くの先輩方の言葉です。
日本聴能言語福祉学院は私学では日本で第一校目に設立された最も伝統のある義肢装具士養成校です。
この学校の卒業生は日本だけではなく、世界各国で活躍しています。
自分の思いを支えてくれる先輩が世界中にいると思うと、とても心強く感じます。
私も義肢装具士を目指す人たちの思いを支えられるよう精進していきます。
そして、いつか皆さんと一緒に仕事ができる日を楽しみにしています。
以上、2回にわたり海外で活躍する義肢装具士からの先輩メッセージをお伝えしました。
日本とオーストラリアの義肢装具士に関わる資格制度の違いについてや、日本聴能言語福祉学院で義肢装具士を目指す学生さん、これから義肢装具士を目指す皆さんへの熱いメッセージをいただきました。
新型コロナウイルスはいまだに猛威を振るっていますが、大谷さんもお体に気を付けて日々の業務を頑張ってください!!
未来の義肢装具士たちに向けての先輩メッセージ、どうもありがとうございました!!