BLOG - 義肢装具学科

2年生 上腕義手の製作実習が始まりました。

2023/01/13

2年生の「上腕義手」の製作実習が始まりました。

 

上腕義手とは、交通事故や仕事中の事故などの外傷のほか、疾患などによって肘関節から肩関節までの間(上腕といいます)を失った方が使用する義手のことをいいます。

 

義手の種類を簡単に紹介します。

 

○装飾用義手

外観の復元を第一義に考え軽量化と見掛けの良さを図った義手(JIS T0101:2015)。

 

自分の意思で手を開いたり、閉じたり、物を掴んだりはできませんが、見た目は非常に精巧な作りで、一見すると本物の手のようです。

 

○作業用義手

農耕山林作業、又は工業等の重作業などにも適するように、特定の機能を優先して製作した義手(JIS T0101:2015)。

 

装飾用義手とは逆に、見た目よりも機能性を第一義に考え、特定の作業を行うことに特化した義手です。写真のようにフック状の手先具で物を引っ掛けたり、持ち上げたりできますが、自分の意思で開閉などはできません。

 

○能動義手

主として上肢帯及び体幹の運動を、義手の制御のための力源に利用し、コントロールケーブルを介して継手、手先具を操作する構造の義手(JIS T0101:2015)。

 

手の部分の見た目は作業用義手に似ていますが、こちらの能動義手では自分の意思で開閉させることができ、任意に物を摘まんだり離したりできます。

 

装飾用義手と作業用義手では、手の部分(手先具といいます)を自分の意思で動かすことができませんが、能動義手では「コントロールケーブルシステム」というものによって自由に動かすことができます。

 

コントロールケーブルシステムは、例えると自転車のブレーキに似ています。ハンドルについているレバーを握ると、ワイヤーケーブルが引っ張られて、タイヤに接地されているブレーキが作動します。コントロールケーブルシステムも、ハーネスを介してケーブルを引っ張ることで、手先具の開閉や肘継手を操作することができます。

 

○筋電電動義手

筋電位によって動作を制御する電動義手(JIS T0101:2015)。

 

見た目は装飾用義手のように人の手に近い見た目をしています。装飾用義手は自分の意思で手を開閉できませんが、筋電電動義手ではできます。

 

能動義手のようにコントロールケーブルシステムがありませんが、ソケット内に電極があり、筋肉が収縮したときに発生する微力な電気信号(筋電といいます)を検知し、マイコン制御によって手先具のモーターが作動し、手先具が開閉するという仕組みです。

 

以上、義手の種類について簡単にご説明しました。

 

義手については、2023年2月25日(土)のオープンキャンパスでさらに詳しくご説明します。興味のある方はぜひこちらにご参加ください!

オープンキャンパスについて詳しくはコチラをご覧ください。

https://ncg.kzan.jp/oc/oc_po.html#oc_po_07

 

さて、今回の製作実習では上腕能動義手を製作します。


義手の製作実習は、小牧市にある(株)松本義肢製作所の溝手先生にご講義いただいています。


本日は、採型実習を行いました。

 

学生たちは、溝手先生のデモンストレーションをしっかり学んだ後に採型を行いました。

 

義肢(義手・義足の総称)は、ソケットが適合の良し悪しに関わるとても重要な構成要素になります。ソケットは、採型によって得られた身体のコピーである陽性モデルを基に製作するので、採型は正確に行いましょう!

 

次回は、陽性モデル修正の様子をレポートします!

講義レポート 2年生

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