『整形靴』のスペシャリストによる特別講義が行われました。
2017/02/03
2年生の「下肢装具概論」の講義のなかで、整形靴のアッパー(甲革)の設計方法を学ぶ特別講義が行われました!
この講義の講師には、義肢装具士として整形靴製作に長年携わっておられる眞殿浩之先生(川村義肢株式会社)をお招きし、靴型装具の概念やアッパーのデザイン方法について実技を交えてご講義していただきました。
本校では、患者様の多様なニーズに応えられる義肢装具士を養成するために、これまで学んできた製靴技術に加えて、オリジナルのアッパーを設計する技術を教育しています。靴型装具の機能面だけを重視するのではなく、デザイン性にも優れた新たな提案をすることも義肢装具士として重要なことと考えています。
アッパーをデザインする前に、まずは足部の評価を行います。
足部のさまざまな変形に対して靴の内部補正(変形に対するアプローチ)が必要かを判断します。
次に歩行評価です。
人間の足部には、それぞれ固有のアライメントがあり、下肢関節の複雑な運動の組合せによって歩行が可能となります。義肢装具士は患者様の異常歩行を細かく観察し、足底板や靴型装具を用いてどのようにアプローチするべきかを的確に評価する必要があります。
採型のデモンストレーションでは、一つ一つの工程や手技の目的を分かり易く説明していただき、教科書では学ぶことができないテクニックを間近で見ることができました。
次は、いよいよアッパーのデザイン設計を行います。
靴型装具を製作する中で最も楽しい工程と言えますが、製作者の芸術的センスが問われる最も難しい工程でもあります。
アッパーのデザインには基準となる数値が多く設定されています。 この数値を計算しながら、学生たちは「世界に一つだけの靴」をデザインしていきます。アッパーのデザインが決まると、色画用紙を使ってアッパーの型紙を製作します。
シンプルな靴も、カラフルな靴も個性があって良いですね!
今年もいろいろなデザインのアッパーが出来上がりました!
眞殿先生、今年も学生たちに靴づくりの楽しさを教えていただき、ありがとうございました。
来年度もよろしくお願いします!