2016年01月25日

学生の講義感想(診断学)その2

<授業の感想2>


 先生が授業の初めのほうに話して下さった30代男性軽度失語・軽度右片麻痺で、癌の治療中という患者さんのお話ですが、あの例で、情報が一つ増える度に目標に対する考え方がかわっていくのを感じ、より多く患者さんの情報を集めること、患者さんのこれからに想いを巡らせていくことの大切さをより深く感じたのですが、STとしてどこまで患者さんに関わっていくのだろうという難しさも感じました。


今までも生活保護を受けていて、今回大病を患ったことで、十分すぎる生活保護を受ける権利を得たと考えているかもしれないし、もしかしたら癌を患ったことで、命の大切さを実感し、妻や子どもに自分の生きた証を何か残したいと考えているかもしれない。ニーズを聞いていけばわかることだと思いますが、それが受け入れ難いニーズであることや、無理難題であることは日常茶飯事であるだろうことは想像がつきます。


 そんな時に、相手の想いを受け入れ、STとして道を指し示すというのはどういうことなのだろうと、
自分の価値観を押し付けることと、はき違えたりしないだろうか、毎回悩むのだろうなと、紹介してくださった症例から考えさせられました。


 また言語聴覚障害概論で話してくださった"、「できない」と本人やその家族が思っていることを、
どうしたらできるか、できるとしたらどういうことがしたいか、そういうことをワクワクしながら想像を
膨らませて考え、不可能を可能に変えていく"という言葉に感銘を受けました。(他にも心に染み渡った言葉は山ほどありますが)。


”ワクワクしながら“想像を膨らませ考え不可能を可能に変えられるST、目標は遠いですが、
遠くに置く分、ぶれずに目指していきたいと思います。毎回の先生の熱心な授業、少しハードな(!?)緊張感と相まって、たくさんのことを考えることができました。ありがとうございました。




最後が少し笑えますが、「伝わっているんだ」と感じました。STは人間に欠かせない「コミュニケーション」と「食べること」と「感じる・考えること」に関わる職業です。だからこそ、現場は、常に真剣勝負で、本当に患者様のことを考えて悩んだり、喜んだり「人間くさい」体験に満ち溢れています。
私は、それが何より最高のSTの魅力だと考えているので、そこを学生に伝えたいと思いながら授業をしています。


聴能教員P

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