今年も2年生の下肢装具概論の授業の一環として、川村義肢株式会社の眞殿浩之先生より、靴型装具概論の講義と、靴のアッパー(靴の甲の部分:底部を除く上部のすべてを表す総称)のデザイン設計、製作方法について実技を交えてご講義していただきました。 本校では患者様の多様なニーズに応えられる義肢装具士を教育するため、これまで学んだ製靴技術に加えて、オリジナルのアッパーを設計する技術を教育しています。靴型装具の機能面だけを重視するのではなく、ファッション性の面からも新たな提案をすることが義肢装具士として重要なことと考えています。 アッパーをデザインする前に、まずは歩行評価を行います。 人間の足部には、それぞれ固有のアライメントがあり、複数の運動の組合せによって歩行を可能にしています。義肢装具士は、その患者様の足部のどこに問題があり、どの関節にアプローチするべきかを的確に判断する必要があります。 足部採型のデモンストレーションでは、一つ一つの工程や手技の目的を分かり易く説明していただき、教科書では学ぶことができないテクニックを間近で見られるため、学生たちの表情も真剣です! いよいよラスト(木型)からアッパーのデザインを設計して行きます。靴を製作する中で最も楽しい工程と言えますが、製作者の芸術的センスが問われる難しい工程でもあります。 アッパーのデザインには、基準となる数値が多く設定されています。この数値を計算しながら、「世界に一つしかない靴」をデザインします! アッパーのデザインが決まったら画用紙を使って実際にアッパーを製作します。 この学生は、臨床実習で製作した靴型装具と同じデザインのアッパーを設計してみたようです。 それにしても、臨床実習で素敵な靴を作って来ましたね! 今年もさまざまなデザインのアッパーが出来上がりました! 学生たちはあまりに夢中になり過ぎて、講義時間をすっかり忘れて作業に没頭していました。 眞殿先生、今年も靴づくりの楽しさを学生たちにお教えいただき、ありがとうございました! 来年もよろしくお願いします! 3年生の卒業研究で中川先生の靴を製作したチームがあり、1日履いた感想を聞きたいということで学生たちが教務室に来た時の写真です。中川先生も学生たちに靴を作ってもらいとても嬉しそうでした! さて、一日履いた感想はどうだったでしょうか? この研究内容は、来年2月に大阪で開催される「第12回日本整形靴技術協会学術大会」のポスターセッションにて発表予定です!
教務室から, 義肢装具学科