失ってしまった手足の機能や外観を補うために義手や義足がありますが、この他にも病気やケガにより顔面、鼻、耳、乳房などを欠損した場合に身体の表面に装着する人工物を「顔面補綴(がんめんほてつ)」、「エピテーゼ」と呼んでいます。福島先生はより親しみやすいように「人工ボディ」と表現されています。 講師は川村義肢株式会社「工房アルテ」の福島有佳子先生です。 福島先生は日本におけるこの分野の第一人者。「人工ボディ」の製作工程について分かり易くご講義いただきました。 技術面だけでなく、技術者として、社会人として、仕事に対する取り組み方や患者様への対応など幅広い講義内容に学生たちも興味津々です! 続いては実習の様子です。これは耳(義耳)の採型を行っているところです。「人工ボディ」の採型には、義肢装具士が通常使用しているギプス包帯ではなく、歯科などで歯型の採型に用いる印象材を使用します。 これは顔面の採型をしているところです。印象材で顔全体を覆うため、採型中でも呼吸ができるようにストローを咥えています。 さあ、きれいな採型ができるでしょうか? 印象材を顔面から取り外すと、眉毛やまつ毛、皮膚のシワまで鮮明に採型されています。 完全硬化した印象材に石膏を流し入れ、陽性モデルを取り出します。爪や指のシワ、血管など細かく採型されていますね。実際にはここからシリコン材料を用いて「人工ボディ」を製作して行きます。 福島先生がご専門とされている「人工ボディ」は義肢装具の中でも特殊な専門性の高い分野となるため、例年、特別講義を楽しみにしている学生が沢山います。 福島先生、お忙しいところ今年もご講義いただき、誠にありがとうございました!
教務室から, 義肢装具学科