大腿義足の基礎的な講義が終わり、いよいよ実際の切断者をモデルとした製作実習が始まりました。今日は大腿義足を製作する上で基礎となる切断端(せつだんたん)の採型を行いました。 この採型で得られた陰性モデルから、切断端を収納するための『ソケット』を製作します。大腿義足のソケットは体重支持理論によって採型方法が異なるため、3年生は一年間かけてこれらの義足製作の理論を学習していきます。 株式会社松本義肢製作所の香川貴宏先生に採寸、採型のデモンストレーションをしていただきました。常に臨床現場でこの業務に携わっている香川先生の説明はとても分かり易く、学生たちも熱心にメモをとっていました。 まずは切断端の骨突起部にマーキングをします。切断端は厚い軟部組織で覆われていますが、しっかり触診すると大腿骨を確認できます。痛みのない快適なソケットを製作するためにも、切断端の情報をできるだけ細かく記録しておくことが大切です。 採型をする場合、モデルさんは約10分間片足で立ったままの状態になります。採型だけに集中するのではなく、モデルさんの表情や体調などを観察しながら作業を進めてゆくことが大切ですね! ※プライバシー保護のため画像を一部加工しています。 この授業では四辺形ソケットという大腿義足ソケットの製作を学習します。採型時にソケットの形状をかたち作るための特別な手技を行い、ギプス包帯を硬化させます。この採型手技を的確に行うことが、適合感のよいソケットを作る第一歩となります。 理論的に理解していても実際に採型してみると、なかなか難しいようですね。ギプス包帯を巻く順序、スピード、手技のタイミングなど、ここでマスターしなければいけないことが沢山あります。 授業が終わった後も、学生同士で採型手技についてディスカッションをしていました。自分の技術だけでなく、クラスメイトの技術を観察することも大切ですね! 次回は陽性モデル修正の様子をレポートします!
教務室から, 義肢装具学科