2010年07月06日

日本言語聴覚学会参加記

6月26日(土)・27日(日)の2日間、
埼玉県さいたま市で「日本言語聴覚学会」が開催されました。
日本中の言語聴覚士が集まる場であり、
演題発表やシンポジウムなど、
言語聴覚士の関わる様々な分野の問題について意見交換がされました。
 
今年は「言語聴覚療法の展開」というテーマで、
言語聴覚療法の様々な領域の今後の方向性について考えられました。
特に大都市のように専門の病院や関係機関が充実しているところばかりではありませんので、地域の中で関係者が互いに連携しサービスを提供していくシステムを作り上げていくことは、なかなか大変なことです。
それらを実践している皆さんの話は非常に感銘を受けました。
 
ちょうど同時期、北海道の友人から、
昔働いていた医療過疎の地域で医療に取り組んでいた医師の講演会の記事が届き、20年前、自分が言語聴覚士の勉強をしようと思った頃のことを思い出しました。
 
人口9000人余りで医師2名、毎年の出生数が120人あまりで、
全ての子供たちの顔が見える地域で仕事をし、
妊娠中から見ていた子供たちも今はもう、親になっている年頃でしょうか?
 
新生児から乳児期、幼児期、学童期とつながるフォローが出来る環境にありながらも、
そこに支援できる機関はなく、乳児健診で発見しても、
1歳半健診や3歳児健診で発見しても、
診断し療育する機関は2時間もかかる場所でした。
脳卒中で倒れたら、2時間以上かかる総合病院に入院し、
リハビリができるところは1時間半以内にはなく、
家族から遠く離れて長期入院を余儀なくされる現状に、
憤りを感じていました。
リハビリ教室には東京から専門家を呼んでいました。
もっと身近に相談できる、支援できる専門家がいればいいのに、
そんな思いが、言語聴覚士になろう、勉強しようと思ったきっかけでした。

  
今、養成校の教員として、
1人でも多くの言語聴覚士が地域住民の皆さんに密着した場で、
より良いサービス提供が出来るように、
そんな思いで学生たちに向き合っています。
学会で多くの卒業生に会い、頑張っている様子を見、
今後さらに期待したいと思いました。

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